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13件
吾輩は猫である
著者 夏目漱石 (著)
中学教師苦沙弥先生の書斎に集まる明治の俗物紳士達の語る珍談・奇譚、小事件の数かずを、先生の家に迷いこんで飼われている猫の眼から風刺的に描いた、漱石最初の長編小説。江戸落語の笑いの文体と、英国の男性社交界の皮肉な雰囲気と、漱石の英文学の教養とが渾然一体となり、作者の饒舌の才能が遺憾なく発揮された、痛烈・愉快な文明批評の古典的快作である。
吾輩は猫である
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吾輩は猫である 改版
2006/06/03 23:29
もう一度読み直してみませんか?
10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:金魚 - この投稿者のレビュー一覧を見る
やはり名作は名作。若ければ若いなりに、年をとればその年相応に楽しめます。
この作品は、漱石の代表作ではありますが、内容からなんとなく他の小説と比べて軽く見られているような気がします。
しかし、これこそ漱石の最大傑作ではないだろうか?
内容はかなり異色ではあります。
1 猫が主人公であり、猫の視点から人間社会を観察批評するという形式をとっている。
2 かなりふんだんに社会批評を行っている。
漱石の小説は、登場人物による社会批評・西洋文明批判がお約束。
3 盛り込まれている薀蓄の量は膨大である。
語注の数ははんぱじゃない。
どこをとっても面白いのですが、最後の章にある、
前申す通り今の世は個性中心の世である。一家を主人が代表し、一郡を代官が代表し、一国を領主が代表した時分には、代表者以外の人間には人格はまるでなかった。あっても認められなかった。それががらりと変わると、あらゆる生存者が悉く個性を主張し出して、だれを見ても君は君、僕は僕だよと云わぬばかりの風をするようになる。
ここからの文章がスゴイ。これって明治時代に書かれたんですよね。
漱石は21世紀の今日まで見透かしていたのでしょうか?
学生時代に読んで忘れてしまった方、も一度読み直してみては。
驚きますよ 。
吾輩は猫である 改版
2015/08/30 12:50
名作
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くるるん - この投稿者のレビュー一覧を見る
教科書にものっている名作ですが、一方で漱石の人物像がよくわかるものです。漱石自身が癇癪持ちで神経質な性格であったといわれていますが、その内面性がうかがえる作品だと感じました。
吾輩は猫である 改版
2020/08/16 15:55
高校一年生入学直後に読んで
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るい - この投稿者のレビュー一覧を見る
高校入学直後に文庫本を購入して読みました。
難しいと思いました。
今、文学講座で、吾輩は猫であるを学んでいます。
日露戦争の事を書いてあるところ、天璋院の記述、当時の猫は家畜としての役割があった事。当時の東京都の事。諸々、知らずに読んでいては、難しいと思った筈です。
初版本の挿絵、漱石の葉書などの展示も数年前に観ましたが、挿絵の意味するところも、再度、学んで、次の講座迄に、再読して、新たに気づきを得たいと思います。
私の持つ、昭和54年の文庫本と今の文庫本は、1ページの行数も文字の大きさも違い、読みやすいと思います。
使われている漢字の違いもあると思いますが、この違いで味わいが違う気もしています。
解説が伊藤整でした。
注釈が今の文庫本は詳しいと良いです。
自分の知識で、読み取れることに大きく差が出る吾輩は猫であるだと実感しています。