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16件
ビタミンF
著者 重松清 (著)
38歳、いつの間にか「昔」や「若い頃」といった言葉に抵抗感がなくなった。40歳、中学一年生の息子としっくりいかない。妻の入院中、どう過ごせばいいのやら。36歳、「離婚してもいいけど」、妻が最近そう呟いた……。一時の輝きを失い、人生の“中途半端”な時期に差し掛かった人たちに贈るエール。「また、がんばってみるか――」、心の内で、こっそり呟きたくなる短編七編。直木賞受賞作。
ビタミンF
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ビタミンF
2008/10/15 23:44
『家族』ってなんだろう。
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:サムシングブルー - この投稿者のレビュー一覧を見る
重松清著『その日のまえに』を読んで、彼の原点に触れてみたくなりました。そして『ビタミンF』を読みました。30代後半からの40代の父親の視点で家族のこと、夫婦のこと、子どものこと、親のこと、人生のことを描いた7つの短篇小説です。読書の楽しみの一つに日常の生活をかけ離れて憧憬の世界を体験できる楽しみがあります。しかし今回はそうはいきませんでした。身につまされるというか、私が子どもだった頃、おとなになった頃、結婚をして家族をもった頃のことが思い浮かびます。
『かさぶたまぶた』のなかで『若いってのはいいな、とも。おとなは「キレる」わけにはいかない。おとなは「折れる」だ。ポキン、ポキン、と折れてしまう』(298頁)身につまされました。折れる相手は、愛する子ども以外にありえません。そして子どもがおとなになったことを認めるときに折れるのです。
『母帰る』のなかで『家庭っていうのは、みんながそこから出ていきたい場所なんだよ。俺はそう思う。みんなが帰りたい場所なんじゃない。逆だよ。どこの家でも、家族のみんな、大なり小なりそこから出ていきたがってるんだ。幸せとか、そういうの関係なくな』(343頁)さらに身につまされました。家族ってなんだろう。『ビタミンF』は皆さんの心にまるで池に小石を投げたように波紋が広がっていくお話です。
2024/06/30 11:17
素晴らしい本です
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
どの小説も私の年齢と同じくらいの登場人物であるため、結婚して家庭や子供をもった夫の立場での内容が多かったです。共感できる部分も多くありました。
ビタミンF
2021/09/13 09:35
ぱんだ
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
家庭の問題について、考え方のヒントが得られた。私は娘だが、父親の立場からの家族の見え方について、知ることができた。