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12件
黒い雨(新潮文庫)
著者 井伏鱒二
一瞬の閃光に街は焼けくずれ、放射能の雨のなかを人々はさまよい歩く。原爆の広島――罪なき市民が負わねばならなかった未曾有の惨事を直視し、“黒い雨”にうたれただけで原爆病に蝕まれてゆく姪との忍苦と不安の日常を、無言のいたわりで包みながら、悲劇の実相を人間性の問題として鮮やかに描く。被爆という世紀の体験を、日常の暮らしの中に文学として定着させた記念碑的名作。野間文芸賞受賞。
黒い雨(新潮文庫)
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黒い雨 改版
2003/09/08 05:11
日本人必読の書
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はけの道 - この投稿者のレビュー一覧を見る
私が、広島に原爆が落とされた…というのを耳にしたのは、国民学校2年生、空襲警報のサイレンが鳴り、隣組の子供たちが集まり挙って近くの空き地の防空壕に避難した時であった。誰か大人の人が「広島にエライ新型爆弾が投下され、一瞬目が眩む光りが空を覆ったそうな…さっき、ラジオで、そういっとった」。確かにこの耳にその言葉だけが残っている。あれから、もう半世紀以上。読もう、読もうと思っていた「黒い雨」をやっと、読み上げた。哀しい、実に悲惨だ。この小説は、最近、ようやっと出版された実録「重松日記」を下敷きにして、井伏鱒二が作品として纏め上げた物だそうだ。こちらの方も少し、目を通して見たが、実録だけにもっとその被爆状態、又風景が生々しく、哀れだ。井伏作品も、唯、淡々と筆が運ばれていくのだが…読者にとってはもの凄い「戦争」「核兵器」への「怒り」が込み上げて来る。最終ページに来て、やっと読者はある安らぎを覚える。
きおらかな小川の流れに逆らってあの黒い雨を潜り抜け登って来た、鰻の毛子(うこ)達。元気良くはなめを養魚池の水面に「ジュンサイ」。そして原爆症の姪の快復を五彩の虹に占う主人公の朴訥とした姿などに、なぜかホッとした物を感じさせる。これは、口に苦い良薬である。是非若い人たち、全日本人に読んで貰って、人類の平和、幸福について考えて頂きたい書物である。
黒い雨 改版
2015/09/29 14:35
確かにあった忘れてはいけないこと
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
以前から読みたかったので、読んで良かったです。
とても影響されました。実は読んでから広島に行ってきました。
本に登場する場所をすべて歩いてきました。
黒い雨 改版
2023/05/30 21:42
日本人だけでなく、世界中の人が一読すると本です。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Order 6601 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本人だけでなく、世界中の人が本作を一読すると、何か感じるものがあるでしょう。また、一般常識としての意味も含めて読むべき作品でしょう。