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3件
ムッシュ・クラタ(新潮文庫)
著者 山崎豊子 (著)
戦前・戦後、新聞社のパリ特派員を勤め、フランス文化をこよなく愛して「ムッシュ・クラタ」と呼ばれた男。日本人の常識から逸脱した行動をとり、鼻持ちならないキザな奴と見られていた彼が、記者として赴いたフィリピンの戦場でしめしたダンディな強靱さを鮮やかに描いた表題作。ほかに夫婦の絆の裏表を鋭い人間観察で切り取った「晴着」「へんねし」「醜男」をおさめる中・短編集。
ムッシュ・クラタ(新潮文庫)
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2018/12/16 13:05
短編集の中で、味がある作品ばかりでした。
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投稿者:御室 みやじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初、『白い巨塔』(1~5)、『女系家族』の後、次は何を読もうかと考えていた時に、巻末に載ってリストの中から、『ムッシュ・クラタ』を選びました。
ムッシュ・クラタが生前、親しかった人達(学生時代の友人、パリ特派員時代に接点があった別の新聞社の記者さんなど)に、取材すると言う設定が面白かったです。
学生時代の頃から、フランス文学を学び、やがては新聞社に就職しますが、その頃から、周囲から浮いていたのかな?と読みながら感じました。また、戦前のパリの様子についても描かれていて、高校の時に父親の仕事の関係でフランスに住んでいた私にとって、懐かしい部分もありました。
一部、旧字体の漢字もあり、読むのに苦労した個所もありました。
『ムッシュ・クラタ』だけでなく、『晴れ着』、『へんねし』、 『醜男』もそれぞれ、人間の制(さが)が丁寧に描かれていることも短編集の特徴ですね。中でも『醜男』は、美人の奥さんと3人の子供に恵まれながらも、最後は、奥さんに離婚され、後妻をもらったのち、亡くなってしまうと言う悲しい結末でした。
年末年始にもう一度、読み直してみます。
ムッシュ・クラタ 改版
2021/05/31 18:04
女性の心の底の思いが影を落とす短編集
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投稿者:けなちょ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「死」にまつわる短編集。
それぞれの男性の死から見えてくる,虐げられた女性たち。
いくら時代とはいえ,いつだって女性たちの中には諦めきれない感情があるに違いない。
ムッシュ・クラタ 改版
2019/08/09 06:00
短編集
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投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
表題作のほか山崎豊子の短編集。沈まぬ太陽にも関連する作品。社会派小説の雰囲気も十分読み味わえる。短編でも侮れない。