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再生の朝(新潮文庫)
著者 乃南アサ
十月七日午後五時三十分。萩行きの夜行高速バスが品川のバスターミナルを出発した。乗客乗務員は十二人。約十四時間で目的地到着の予定だったのだが……。深夜に乗務員が殺害され、バスは殺人者とともに、何処とも知れぬ闇の中に放り出される。台風接近で風雨も激しさを増し──。それぞれの人生を背負って乗り合わせた登場人物たちの多視点から恐怖の一夜を描く、異色のサスペンス。
再生の朝(新潮文庫)
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評価内訳
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再生の朝
2004/07/16 18:01
舞台劇を見ているような…
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:luke - この投稿者のレビュー一覧を見る
高速道路を品川から荻まで夜行高速バスが走る。乗客のそれぞれの想いを乗せ走る。…そして、殺人。殺人者に脅された運転手は高速道を降り山道を走る。そして激突。台風の中、闇に取り残された乗客たちは…、と、いうわけでスリルとサスペンスで描かれる「再生の朝」です。まあ、殺人事件に謎は無いのですが、乗客の心理描写と台風の中の闇という状況がミステリアスなのでしょう。何か、芝居を見ている雰囲気が漂っています。確かに3幕くらいで(場合によっては1幕でも)仕上がりそうな舞台劇です。いかに登場人物に生命を与える事が大事なのだと再確認させてくれる小説とも言えますね。
再生の朝
2002/04/23 00:48
互いに知らない同士を乗せて走る深夜バス。どんな人間が、小さな同じ箱に乗っているのか、どんな事情を抱えた人間が一緒にいるのか、知ることはない。そう、何事もなければ。
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投稿者:くろねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
出張のサラリーマン。
息子を実家に預けに行く母親。
娘夫婦の家から帰る老婦人。
金策に向かう事業主。
胸に抱える様々な思い。
偶々乗り合わせただけの、他人と他人。
車内の電気が消えて、目を閉じれば、そこにあるのは、
自分だけの世界。
そこに、それほどまで思い詰めた人間が乗り合わせていることなんて、
どうして窺い知ることができるでしょう。
ただ、そとの嵐が、その小さな旅の平穏ならざることを
予感させるだけだったのに。
美緒、可愛そうな美緒。
男に裏切られて、薬に溺れ、男の運転するバスに乗り込んだ美緒。
思い余って、男を手にかけてしまうなんて。
そして、それが、乗客全てを危険にさらしてしまうなんて。
嵐の闇の中、どこにいるかも分からない。
閉じ込められた狭い箱の中。
なんていう恐怖。
ぶつかり合う自我と自我。
噴出する様々な、身勝手な思い。
危機に瀕したとき、人は、はからずも本性を見せるのでしょう。
いつかは必ず来るはずの朝。
それが、これほどまでに遠く、はてしなく遠く思えるなんて。
でも、それでも、必ず、陽はまた昇るのです。
再生の朝
2001/05/20 00:46
再生
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投稿者:なお - この投稿者のレビュー一覧を見る
十月七日午後五時三十分。萩行きの夜行高速バスが品川のバスターミナルを出発した。乗客乗務員は十二人。約十四時間で目的地到着の予定だったのだが……。
深夜に乗務員が殺害され、バスは殺人者とともに、何処とも知れぬ闇の中に放り出される。台風接近で風雨も激しさを増し——。それぞれの人生を背負って乗り合わせた登場人物たちの多視点から恐怖の一夜を描く、異色のサスペンス。