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6件
人斬り以蔵(新潮文庫)
著者 司馬遼太郎
自己流の暗殺剣法を編み出し、盲目的な殺し屋として幕末の世を震えあがらせた岡田以蔵の数奇な生涯を追跡する表題作。日本陸軍建軍の祖といわれる大村益次郎の半生を綴った『鬼謀の人』ほか、『割って、城を』『おお、大砲』『言い触らし団右衛門』『売ろう物語』など。時代の変革期に生きた人間の内面を鋭く抉り、長編とはまた異なる味わいの、人間理解の冴えを見せる好短編、全8編。
人斬り以蔵(新潮文庫)
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人斬り以蔵 改版
2021/02/28 23:42
さすが!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ヒマラヤハマラヤ - この投稿者のレビュー一覧を見る
最大限本を楽しめるそんな一冊なので多くの人に読んで欲しいなと思いました!感動したいなら読むべしの一冊!
人斬り以蔵 改版
2006/06/27 00:02
司馬さんって歴史が本当に好きなんだなぁと思える短編集
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
時々、あー司馬さんが読みたいなぁと思う時があり読んでしまいます。
本作は、司馬さんの短編集です。
表題の「人斬り以蔵」は、土佐勤皇党の岡田以蔵を扱ったもので、
岡田以蔵の話は、武田鉄矢、小山ゆうのマンガ「おーい竜馬」で
もう既にかなり知っていました。
これが、物凄く悲しいお話しなのです。
武市半平太の命によって暗殺を繰り返していた以蔵ですが、
土佐藩での藩政の逆転により、武市らは、捕縛され
それにより、捨てられた形の、以蔵もまもなく捕縛
取調べで以蔵が喋ってしまうことを、恐れ、武市ら勤王党は、
以蔵に毒をもります。
ここまで、厳しい取調べに対して一切喋らなかった以蔵も
自分が、それほどまでに信用されていず、且つ完全に捨てられたことを、
知り、全てを喋りだします。
「おーい竜馬」では、この後、以蔵の処刑の場面で
竜馬のお姉さんが、駆けつけ、「この刀で上士を斬りんさい!!」
と刀を以蔵に投げる、以蔵の気持ちを大変よく表した場面があるのですが、
そこは、司馬さんの作品には、ありませんでした。
去年の大河ドラマ「新撰組!」でも、
新撰組の斎藤一と竜馬と中岡が会う場面で
竜馬が、中岡にオダギリジョー演じる斎藤一を指し、
「これは、以蔵と同じ人斬りで有名な斎藤じゃき」と説明し
その後、人を沢山斬っていくごとの心境の変化を説明する場面がありました。
人を沢山斬っていくとどうなるのか、流石の斎藤一も少し怖くなったのか、
竜馬にその後どうなるのか、尋ねます。
すると、竜馬は、
「誰も判らん、以蔵も死んでしもうたから」と。
ここにも、暗殺者として使い捨てられた以蔵の悲しさと無常感が、
あったように思いました。
ちょっと本書の書評としては、反れてしまいましたが、
「鬼謀の人」の大村益次郎も良かったです。
これまた、大村益次郎もマンガ「おーい竜馬」でもユニークに描かれていました。
「おお、大砲」もこれってどんな歴史事件を扱っているのだろう
と思っているうちに天誅組の事件を逆サイドから描いていることに
気付きます。
「美濃浪人」もあれれって思っていると、
井上馨を二度も助けたお医者さんの話とは、、。
登場するには歴史的に少し遅すぎた武将の二人
塙団右衛門と後藤又兵衛の二人を扱ったそれぞれの短編も良かったです。
歴史の年表や小さな記録の行間から人物を立ち上がらせて
いる司馬さんの本当に歴史好きな熱い気持ちと巧みな人間観察と
その描写が、この短編集では、見られます。
2024/06/23 09:40
時代の変革期
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:蒙古卵麺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
時代の変革期の様々な人物像を綴る八篇を著す短編集。特に表題作の「人斬り以蔵」で描かれる岡田以蔵の人物像は大変物悲しくその時代の過酷さを感じざるを得ない。