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17件
本屋さんのダイアナ(新潮文庫)
著者 柚木麻子
私の名は、大穴(ダイアナ)。おかしな名前も、キャバクラ勤めの母が染めた金髪も、はしばみ色の瞳も大嫌い。けれど、小学三年生で出会った彩子がそのすべてを褒めてくれた――。正反対の二人だったが、共通点は本が大好きなこと。地元の公立と名門私立、中学で離れても心はひとつと信じていたのに、思いがけない別れ道が……。少女から大人に変わる十余年を描く、最強のガール・ミーツ・ガール小説。
本屋さんのダイアナ(新潮文庫)
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本屋さんのダイアナ
2016/12/09 15:02
呪いをとく方法
7人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mino - この投稿者のレビュー一覧を見る
本当に良い少女小説は、何度でも読み返せるんですよ、お客様。
主人公の名前は矢島大穴。大きい穴と書いて、ダイアナ。金髪にこぼれそうな大きな目は、キャバクラで働き女手ひとつで彼女を育てる母そっくりです。
周りと馴染めない少女が初めて友達になったのが同級生の彩子でした。
彼女はダイアナの名前を「赤毛のアンの友達の名前と一緒」だと、良い名前であると心から褒めてくれます。
お互いに文学少女で、好きな本の話で意気投合し親友となった二人でしたが、ある出来事をきっかけに仲違いをしてしまいます。
彼女たちはお互いの中に自分の理想をみていたのでした。
小学生時代に出会った二人は離れ離ればなれの間に様々な痛みを知ります。
特に彩子の身に降りかかった出来事には胸が痛みました。
家族や友人、仲間の想いを知って、20歳になったころ、少女と少女は再び出会います。
最高の友情は、懐かしい物語を途中から読み始めるように何度でもやり直せる、そんなことを信じさせてくれる友情の物語です。
あなたは、自分自身に呪いをかけてしまっていませんか。
あなたの呪いは、あなたは自身でとくことができるはずです。
そのヒントがここにあります。
かつて少女だった全ての人に読んで欲しい、大切な一冊です。
本屋さんのダイアナ
2017/11/10 00:12
共感ポイント多し!
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:tommy - この投稿者のレビュー一覧を見る
ダイアナと彩子。小説の中では正反対という設定だけど、大多数の読者はどちらにも共感することが多いと思います。
スラスラ読みながら、自分の子供時代を思い出しながら、ダイアナ・彩子を応援した人が多いんじゃないかな。
1年以上前に読んだ小説ですが、面白かったので今でもよく内容を覚えています。
2022/07/22 00:51
こんなはずではなかった、と思っている人に
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はらみ79 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本を介して育まれた、2人の少女の友情の話です。
2人ともこの先、人生をどう切り開くのだろう、
特に前半は女の子特有の可愛い描写が沢山で
2人ともこのままサラッと上手くいったり
幸運に恵まれて華やかな人生を送るのではと思ったけど
現実は厳しくリアルで…
でもだからこそ、私は本書が大好きです。
思うような人生を生きられなくて歯痒い時に
自分にかかっている呪いの解き方を教えてくれます。
「こんなはずではなかったのに」とくすぶっている人に読んでほしいです。