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15件
BUTTER(新潮文庫)
著者 柚木麻子
男たちの財産を奪い、殺害した容疑で逮捕された梶井真奈子(カジマナ)。若くも美しくもない彼女がなぜ――。週刊誌記者の町田里佳は親友の伶子の助言をもとに梶井の面会を取り付ける。フェミニストとマーガリンを嫌悪する梶井は、里佳にあることを命じる。その日以来、欲望に忠実な梶井の言動に触れるたび、里佳の内面も外見も変貌し、伶子や恋人の誠らの運命をも変えてゆく。各紙誌絶賛の社会派長編。(解説・山本一力)
BUTTER(新潮文庫)
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BUTTER
2021/01/17 12:42
柚木麻子の持つ根源的なテーマたち
10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:きり - この投稿者のレビュー一覧を見る
すごく面白かった。有名になった事件を下敷きにしてるけど、日本を取り巻くルッキズム、常に男に「見られる」対象としての女、食べることへの欲望と抑圧、そして確固たる自信と決意を以って書かれたシスターフッド&フェミニズム小説だった。
柚木麻子は『終点のあの子』が大好きで、他にも何冊か読んだけど面白いけど残らないなあという感じで、やっぱりわたしにはあの一冊だけだったのかな…と思ってたけど、『あまからカルテット』も『ランチのアッコちゃん』も、あれらはここに結実してきたのだな…!と思わせる渾身のごはん描写。食欲がそそられる。
柚木氏があの事件を基に小説書くってピンとこなかったけど、読むうちにどの要素も柚木氏がずっと軸にしてきた大事なテーマたちのためのこの題材だったのだなと深く腑に落ちる。書きたいことを存分に、すごい力で書いたんだろうなあ。久しぶりに早起きしてまで夢中で読んじゃった。ごちそうさまでした。
2021/06/29 15:45
狂気の旨さ
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はろり - この投稿者のレビュー一覧を見る
バターが食べたくなる本です。題のまま。装丁のデザインも美味しそうな黄色で素晴らしいです。バターのきっかけとなる”梶井”の語り口に引き込まれる主人公、読者もきっと梶井のとりこになってしまう瞬間があると思います。
2022/08/20 18:02
かなりの読みごたえ
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mk - この投稿者のレビュー一覧を見る
実際にあった事件を題材にしていて、その事件にとても興味を持っていたため、はまり込んでしまいました。女性としてとても重く苦しくなる部分もありました。