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暇と退屈の倫理学(新潮文庫)
著者 國分功一郎
「暇」とは何か。人間はいつから「退屈」しているのだろうか。答えに辿り着けない人生の問いと対峙するとき、哲学は大きな助けとなる。著者の導きでスピノザ、ルソー、ニーチェ、ハイデッガーなど先人たちの叡智を読み解けば、知の樹海で思索する喜びを発見するだろう――現代の消費社会において気晴らしと退屈が抱える問題点を鋭く指摘したベストセラー、あとがきを加えて待望の文庫化。
暇と退屈の倫理学(新潮文庫)
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暇と退屈の倫理学
2022/07/22 15:22
タイトルほど「お堅い」内容ではありません
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:きみくんのパパ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「暇」という時間観念と「退屈」という自己観念の関係性を倫理学的思考で深堀りしていく。こう書くと何やら堅くて難しくて興味が湧かないのだが、「暇」だから「退屈」なのか、「退屈」だと「暇」なのか、というパラドクスのような思考の整理を、過去の哲学者の思考の足跡を追いながら追及していく。小気味よいテンポの文章表現に、ついつい吸い込まれてしまう読み物。認知バイアスという生理学的なアプローチの視点を踏まえて読み込んでいくと、人間がもっている「知」の追求・欲求を哲学・倫理学的に補強できるような印象を受ける。人間という生き物が持つ「哀しい」側面とそれがゆえに人間というアイデンティがあるというまっとうな事実とを眼前に突き付けられた。
暇と退屈の倫理学
2022/11/23 03:09
少し難しいが
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なつみかん - この投稿者のレビュー一覧を見る
前半は興味深く読み進めたが、後半は私には少し難しかった。また読み返したい。消費ではなく浪費を意識して日々を過ごしたい。
暇と退屈の倫理学
2022/08/18 22:45
人生とは楽しむこと
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:K2 - この投稿者のレビュー一覧を見る
人間が生きていることの意味を問う野心作。多くの哲学者・思想家の言説を手がかりとしながら、退屈のメカニズムに迫る。退屈には2種があり、そのうちの1つは日常の中にあるとのこと。著者の主張とは異なるかもしれないが、人生とは楽しむことだ、と私は読んだ。非日常や狂気に捕われないためには、退屈との上手な付き合い方を学ばなければならないと感じた。