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2件
木(新潮文庫)
著者 幸田文
樹木を愛でるは心の養い、何よりの財産。父露伴のそんな思いから著者は樹木を感じる大人へと成長した。その木の来し方、行く末に思いを馳せる著者の透徹した眼は、木々の存在の向こうに、人間の業や生死の淵源まで見通す。倒木に着床発芽するえぞ松の倒木更新、娘に買ってやらなかった鉢植えの藤、様相を一変させる縄紋杉の風格……。北は北海道、南は屋久島まで、生命の手触りを写す名随筆。(解説・佐伯一麦)
木(新潮文庫)
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木 新版
2024/04/12 16:44
木を見、感じること
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投稿者:かずさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
木についてのエッセイをまとめた作品。種々の木を見つめそこから得られた感慨や思い出、現地に足を運び木に向かい合ったことを削ぎ取られた簡潔な文章で書いている。
削ぎ取られてはいるが、冷たさや無味乾燥な感じは受けずふくらみを感じる。「いい文章」に会うとはこのことかもしれない。
2024/04/28 10:05
生命の本質のような
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:suzu - この投稿者のレビュー一覧を見る
普段見過ごしがちな立木や木材が、彼女の随筆の美しい文章によって躍動感のある生きた存在として目の前に立ち現れる。どっしりと構えていつも私達を優しく見守る木への慈しみと愛情が感じられる優しい文章だった。幾重にも世代を重ねながらひとつの存在として天へ向かう木は、生命の本質を体現しているようだ。