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3件
箱男(新潮文庫)
著者 安部公房
ダンボール箱を頭からすっぽりとかぶり、都市を彷徨する箱男は、覗き窓から何を見つめるのだろう。一切の帰属を捨て去り、存在証明を放棄することで彼が求め、そして得たものは? 贋箱男との錯綜した関係、看護婦との絶望的な愛。輝かしいイメージの連鎖と目まぐるしく転換する場面(シーン)。読者を幻惑する幾つものトリックを仕掛けながら記述されてゆく、実験的精神溢れる書下ろし長編。(解説・平岡篤頼)
箱男(新潮文庫)
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箱男 改版
2015/10/24 21:18
ぎりぎりのバランス
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:zzz... - この投稿者のレビュー一覧を見る
思弁と詩と物語がお互いを貪りあって誕生したキメラのような小説。「人間」と「ゴミ」を見つめ続けた異能の天才が、崩れ落ちながら吐き出した最後の傑作。
箱男 改版
2015/08/30 21:04
箱男
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しろくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
読んでいく過程で、自分はどこから読んでいるのか、分からなくなってしまう。覗いていたはずが、いつの間にかずっと覗かれていた、そんな不思議で、難解な作品。
でも、そのくらくらするほどの眩暈に会いたくて、また読み返してしまう、何度読んでも魅力の尽きない作品です。
箱男 改版
2024/02/25 17:36
箱男
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ダンボールをかぶり、顔と体の大部分を隠して暮らす男が綴った手記という体裁。
箱男は街中にあって、少量であれば万引きをしても気づかれず、他の人間がその存在を認識してしまうと、まず憎悪を抱き、やがては自分も箱男になりたいと思うようになる。
手記の書き手は同じなのか、次々と変わっているのか。手記であるにも拘わらず対話形式が取られたかと思えば、それが一人二役だと同じ手記の中で「暴露」される。