- みんなの評価
2件
あの子とヴァンパイア
著者 万城目学
人間の血を吸うなんて、ありえない――! 吸血鬼一族・嵐野家のひとり娘でありながら普通の高校生として暮らす弓子だったが、17歳の誕生日を間近に控えたある朝、得体の知れない物体に出くわす。その黒くてトゲトゲの「Q」は、弓子が人間の血を吸わずに17歳を迎えられるか、監視しに来たという……。とびきりキュートですこぶる愉快、けれど忘れられない切なさを残す、新時代の青春小説!
あの子とO
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
2025/05/23 14:47
ポップでキュート
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ブラウン - この投稿者のレビュー一覧を見る
書店で目を引くポップ&キュートな表紙に、キャッチーなタイトル。一度目にすれば、問答無用で記憶に残る書影だった。自分向きではないと決めてかかっていたが、あらすじによると、何と吸血鬼が登場するという。
ティーン向けの青春小説の様相から、吸血鬼という超マイノリティを取り巻く事情、過去吸血鬼が直面した困難など、中々に生々しいヘビーな展開。ただならない雰囲気を追う内に、あれよあれよとページを繰っていた。
吸血鬼が人並みに生活できるように先人たち(存命)が払った多大な努力と、その仕組みの煩雑さに流される子ども。主人公の現在を取り巻く社会の土台には、酷く理不尽な未解決問題を孕んでいる。こう書くとちょっと重すぎるかもしれないが、吸血鬼×JK×友情の底力たるや、危なっかしくも眩しい全能感があって、作品全体にただ沈鬱なだけではない瑞々しさが一本通っていた。
ちょっとした無茶や奇跡も青春の特権。夢のある作品だ。
2025/04/13 07:50
続編を今から期待
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
久しぶりに万城目氏の本を読了。私は、万城目氏の本は数冊読みましたが、何といっても「鴨川ホルモー」が最高。その他は物足りなさを感じていました。本書は久しぶりに万城目ワールド全開という印象で、読後感もすこぶる良く、とても良く練られたストーリーでした。続編を今から期待しています。