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決定版 感じない男
著者 森岡正博
オトコという存在は実は「不感症」ではないのか。だからこそ、美少女写真集を見てはあらぬ妄想を膨らませ、一人でしては空しさに襲われる──。少なくとも自分にはそうした側面があると気づき、この問題を深く掘り下げ、論じ切った衝撃のセクシャリティ論。男女を問わず大きな反響を呼び、「男の性」の必読本となったこの書に、「その後の、感じない男」についての章を加えた、増補決定版。
決定版 感じない男
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感じない男 決定版
2016/11/26 18:43
壮絶な自己開示。理論の普遍性は謎か。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たまがわ - この投稿者のレビュー一覧を見る
大学教授である著者が、壮絶なまでに自己の内面の性的嗜好を明らかにし、
徹底的にそれを分析し、理論化していく。
なぜそういうスタイルを取ったのかは、補章や本文にも詳しく書いてある。
『私はこの本において、自分の内面を掘り下げる、内在的なセクシュアリティ研究を試みている。
自分のなかでいったい何が起きているのかを冷静に解剖し、男のセクシュアリティの解明に
貢献しようとしているのである。』という。
そしてその結果紡ぎだされた男の性に関する理論だが、それに普遍性、妥当性がどれぐらいあるのかは
自分には分からなかった。
著者は、
『ポルノに関していえば、私がいままで好んできたのは、きわめてありふれた写真やビデオであると断言できる。
なぜなら、私が見たいと思ったものは、たいがい普通に売られていたからである。
だから、私が自分のことを語ったとしても、それは、私と同じような好みをしている多くの男たちについてもまた、
あてはまるはずだと思うのである。』
と言っている。その点だけでも自分よりも著者の方が、よりノーマルなのだろうと考えられるし。
もしかしたら本書の本当に重要な部分は、その性的な話題そのものではなく、
著者の提唱する「生命学」の実践、つまり、『自分をけっして棚上げにしない』学の方法と呼ぶものを
著者自らが実践してみせたことにあるのかもしれない。
それと、女性は本書を読んで、あまり良くない意味でショックを受けてしまうかもしれないと思うので、要注意。