散華 紫式部の生涯
著者 杉本苑子 著
藤原氏の一門ながら無欲恬淡な漢学者の娘として生まれた小市は、幼い頃から和歌や漢籍を学び並外れた才能を発揮した。
姉弟や伯母とともに暮らすなかで、疫病の流行や治安の悪化、勢力抗争に明け暮れる人々の浮き沈みを犀利なまなざしで見つめながら、自らの生きる道を模索していく。
永遠の名作を紡ぎ出した一人の女性の生の軌跡をたどる歴史大作。上巻では少女時代から20代までを描く。
散華 紫式部の生涯 (合本)
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散華 紫式部の生涯 改版 上
2024/01/24 10:28
源氏物語作者紫式部の一代記
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
源氏物語作者紫式部の一代記を物語る。作中では、小市という少女で登場するが、豊かではない学者の家庭で育ち、それなりに上級貴族との付き合いを経験しながら、成長していく。同世代を生きる女性たちとの出会いは、将来の宮廷での生活の予感が。彼女たちが、のちの清少納言であり、和泉式部である。主人公の思い描くような恋愛は、なかなか経験することはできず、「難のない人はいず、不条理や不公平を伴わない愛もない」と諭されれば、自然と、物語の中に理想の恋愛を求めていくようになったのかもしれない。
散華 紫式部の生涯 改版 下
2024/01/26 15:01
紫式部の一代記後編
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
源氏物語作者・紫式部の一代記後編。主人公小市が越前国司として赴任する父に同行するところから始まる。中央政府は、国司などの地方官が集めた貢税をただ吸い上げる機関に過ぎず、政治そのもは国衙の地方官たちの手でのみなされているという、その時に持ったのかもしれない。源氏物語を楽しみの書として書き始め、その後、道長の手により中宮彰子を飾る女房になるわけだが、権力闘争の宮廷を見続けるうちに、書く物語への想いは変化していった。自分のために、自分の気持ちを物語の中に込めていったのだ。紫式部のひとつの見方であろう。