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9件
昭和16年夏の敗戦 新版
著者 猪瀬直樹 著
日米開戦前夜。平均年齢三十三歳、全国各地から集められた若手エリート集団が出した結論は「日本必敗」。それでも日本が開戦へと突き進んだのはなぜか。客観的な分析を無視して無謀な戦争に突入したプロセスを描き、日本的組織の構造的欠陥を暴く。
石破茂氏との対談、新版あとがきを収録。
昭和16年夏の敗戦 新版
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2025/05/25 12:13
猪瀬氏らしい
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:名無し - この投稿者のレビュー一覧を見る
猪瀬氏らしい、含蓄のある文章。史実は、近衛文麿内閣の失政と、ABCD包囲網の拡大、米英の日本資産凍結だが、特に資源を持たない日本には、後々効いてくるものだったと読み取れる。
2024/12/04 18:00
こんなに冷静に日米の国力差を指摘できる人たちが存在したのに…
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
昭和16年の夏、日本がアメリカと開戦に至る約8か月前、陸海軍だけでなく主要な省庁から選りすぐられたメンバーによって「総力戦研究所」が設立されました。
そこでは、影の内閣総理大臣、陸海軍大臣や各国務大臣からなる影の内閣を組閣し、アメリカとの戦争に突入すれば、どのようなシナリオがあり得るかが研究されました。日米開戦の約4か月前、総力戦研究所は「開戦に至れば、日本は必ず負ける」との結論を導き出します。
石油資源の窮乏を理由に開戦には否定的な結論が出される中、軍からの参加メンバーからは「大和魂こそがアメリカにはない我が国最大の資源だ」という発言が出たり、最終的には東條首相が「戦いというものは計画通りにはいかない。意外なことが勝利につながっていく。(この研究で提出された結論は)机上の空論とは言わないが、その意外性を考慮していない」という精神論で押し切られてしまいました。当時の工業力等を正確に評価したシミュレーションの結果を出しておきながら、その成果を実際の国の施策に反映できなかったことが悔やまれます。
一次資料の抜粋が多く読みづらい部分も多いですが、精神論一辺倒で開戦に突き進んでいた当時の日本で、冷静に現状を分析していた人たちがいたというのは驚きでした。
都知事であった著者の猪瀬氏、私が初めて読んだ猪瀬氏の著書ですが、こんな本を書いておられたのですね。
巻末に収録されている猪瀬氏と国会議員の石破氏との対談も興味深い内容でした。
昭和16年夏の敗戦 新版
2022/05/27 13:57
こんなに冷静に日米の国力差を指摘できる人たちが存在したのに…
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投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
昭和16年の夏、日本がアメリカと開戦に至る約8か月前、陸海軍だけでなく主要な省庁から選りすぐられたメンバーによって「総力戦研究所」が設立されました。
そこでは、影の内閣総理大臣、陸海軍大臣や各国務大臣からなる影の内閣を組閣し、アメリカとの戦争に突入すれば、どのようなシナリオがあり得るかが研究されました。日米開戦の約4か月前、総力戦研究所は「開戦に至れば、日本は必ず負ける」との結論を導き出します。
石油資源の窮乏を理由に開戦には否定的な結論が出される中、軍からの参加メンバーからは「大和魂こそがアメリカにはない我が国最大の資源だ」という発言が出たり、最終的には東條首相が「戦いというものは計画通りにはいかない。意外なことが勝利につながっていく。(この研究で提出された結論は)机上の空論とは言わないが、その意外性を考慮していない」という精神論で押し切られてしまいました。当時の工業力等を正確に評価したシミュレーションの結果を出しておきながら、その成果を実際の国の施策に反映できなかったことが悔やまれます。
一次資料の抜粋が多く読みづらい部分も多いですが、精神論一辺倒で開戦に突き進んでいた当時の日本で、冷静に現状を分析していた人たちがいたというのは驚きでした。
都知事であった著者の猪瀬氏、私が初めて読んだ猪瀬氏の著書ですが、こんな本を書いておられたのですね。
巻末に収録されている猪瀬氏と国会議員の石破氏との対談も興味深い内容でした。