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中先代の乱 北条時行、鎌倉幕府再興の夢
著者 鈴木由美 著
鎌倉幕府滅亡から二年後の一三三五年、北条高時の遺児時行が信濃で挙兵。動揺する後醍醐天皇ら建武政権を尻目に進撃を続け、鎌倉を陥落させた。二十日ほど後、足利尊氏によって鎮圧されるも、この中先代の乱を契機に歴史は南北朝時代へと動き出す――。本書は、同時代に起きた各地の北条氏残党による蜂起や陰謀も踏まえ、乱の内実を読み解く。また、その後の時行たちの動向も追い、時流に抗い続けた人々の軌跡を描く。
中先代の乱 北条時行、鎌倉幕府再興の夢
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中先代の乱 北条時行、鎌倉幕府再興の夢
2021/07/20 21:49
彗星の時代
5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は子供の頃に読んだ歴史漫画で北条時行にハマった結果が、この本という事になる。中先代の乱は南北朝の時代の前震みたいな扱いだが、短いとはいえども、鎌倉を制圧したので、先代としての鎌倉幕府と当代としての室町幕府の間という意味で「中先代」と称されたとの事。
北条時行は文和2年まで生きていたが、人生で輝いて見えるのは、やはり中先代の乱の一時で、彗星のように一瞬、輝いていたように見えてくる。
著者は中先代の乱と先行する西園寺公宗による後醍醐天皇暗殺計画、建武3年の足利尊氏・直義兄弟に接触して持明院統に皇位を回復しようとした光厳院を「強い意志を持った人物だったと考えられる」と評し、「持明院統の後醍醐」とも評している。昨今の光厳天皇の伝記は六波羅探題の滅亡と正平の一統に視線が向きがちで、後伏見院の落飾によって持明院統の家長となった建武期の光厳院の果たした役割には向かないような感じがしていたから、案外、それが光厳院の実像、あるいは一面だったように思える。
中先代の乱当時に光厳朝の年号である正慶を復活させた時行は北条一門恩顧の足利一門の裏切りを許せなかったので、仇敵であるはずの南朝に参じて龍口で切られるまで南朝方に仕えていた。時行は光厳院をどう思っていたのか、気になってくる。
中先代の乱 北条時行、鎌倉幕府再興の夢
2022/02/09 19:03
乱発生の事情など
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:いて座O型 - この投稿者のレビュー一覧を見る
中先代マニアと言っていいであろう著者による、中先代の乱とその前後についての詳細な概説書。
なんとなく、元の権力者が昔の夢よもう一度という感じで、一時的に反乱を起こしただけのように思われがちな中先代の乱も、当時はそれが起こるだけの事情があり、またそれなりの波乱を巻き起こすだけの要因もあったということが、よく理解できて、興味深い一冊になっている。
2024/02/06 04:57
北条氏の反乱
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
北条氏の反乱が北条時行の中先代の乱を中心に記述されている。中先代の乱だけでなく全国でさまざまな北条氏が蜂起していたことは知らなかったので勉強になった。

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