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『安倍晋三 回顧録』公式副読本 安倍元首相が語らなかった本当のこと
安倍晋三元首相の未公開インタビューを収録した『安倍晋三 回顧録』は、3カ月余で27万部を突破し、社会現象となった。
とはいえ、多くの回顧録がそうであるように、本書もまた「安倍史観」である側面は否めない。だからこそ、聞き手を務めた橋本五郎氏は、本書を安倍元首相が歴史の法廷に提出した「陳述書」であり、「たたかれて、たたかれて、鍛えられる鋳造品」と位置づけたのだ。
回顧録の刊行を機に、安倍政権の内実について証言する人々も多数、出始めている。
立場や主義主張を越えて考察する『安倍晋三 回顧録』公式副読本を刊行する。
『安倍晋三 回顧録』公式副読本 安倍元首相が語らなかった本当のこと
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『安倍晋三 回顧録』公式副読本 安倍元首相が語らなかった本当のこと
2024/07/11 22:00
ポピュリスト かつデマゴーグと なぜ書かぬ
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投稿者:清高 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1.内容
「安倍政権の内実について証言する人々」(p.7)、ならびに研究者、官僚、現在野党(ただし、かつては、安倍晋三が所属した自由民主党と連立政権を組んだメンバー)の国会議員が、安倍晋三回顧録.について語った本である。
2.評価
(1)内容は玉石混交。「玉」は、第3章の研究者の分析、第4章の「霞が関より」、第5章にある前原誠司と辻元清美の対談。研究者の分析に感銘を受け、元財務官僚の文を読んで財務官僚の重要さが理解でき(表面上だが)、前原、辻本のご両人をある程度虜にする安倍の人間的魅力が記されているからである。
(2)「石」は、ヨイショしかしていない谷口智彦と、ポピュリスト(安倍はとりわけ財務官僚と厚生労働官僚を敵視していた。しかし、官僚にも言い分があり、本書第4章に記述がある)かつデマゴーグ(「『民主党政権はダメだったよね、というムード』」(本書p.139.ならびに、安倍晋三回顧録.p.262)なのであって、根拠はない。その他第4章の鈴木康裕の文章を見よ)と書けないジャーナリストである。ジャーナリストが事実を伝えるのが仕事であるとすれば、ポピュリストかつデマゴーグであることの指摘がないのは駄目である。
(3)以上、「玉」の部分5点、「石」の部分2点、後者を重視して3点とする。