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  2. レビュー
  3. 清高さんのレビュー一覧

清高さんのレビュー一覧

投稿者:清高

94 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

紙の本基礎からわかる論文の書き方

2023/12/01 23:21

科学とは 何かについて 共感す

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

1.内容
 論文とは何か、というところから説く、論文の書き方の本といったところか。小熊英二は、東京大学農学部卒で、出版社勤務を経て、東京大学大学院総合文化研究科博士課程を修了している(プロフィール参照)ので、文系のみならず、理系の視点も取り入れ、豊富な例えを踏まえて説明している。

2.評価
(1)筆者は、現時点では、本書のような論文を書く予定はないので、書き方について特に見解はない。

(2)筆者が本書で感心したのは、第2章と、前述の「豊富な例え」である。豊富な例えの方は本書を読んでもらうとして、第2章の「科学と論文」について。科学は「お互いが共有する公理を前提にする」(p.65)ものであり、そのうえで「公開が原則で、誰でも疑っていいし、お互いに批判や対話をしながら進歩でき」(p.76)るものだという。科学に対する考えとして筆者の知る限りで一番わかりやすかった。理系の学部を卒業した賜物だろうか。

(3)特に(2)を長所とするので、5点。

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紙の本

紙の本英語教育論争史

2023/10/28 23:28

大半の 論争過去の 蒸し返し

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

1.内容
 現在でも英語教育に関する論争はあるが(記憶に新しいところでは、大学入学共通テストにおける民間試験の活用。p.222参照)、それらの論争の大半は、過去にすでになされている。しかし、過去の論争に決着をつけなかったので、何度でも蒸し返される。そこで本書は、日本が近代化した明治時代から、英語教育についてどんな論争があったかを示すものである。

2.評価

(1)筆者は、大学受験を経験し、個人的に英語教育に関心を持っているので、本書の論争は全て興味深かった。大まかに書くが、とりわけ英語教育の目的が教養か実用かという論点が興味深かった(第3章や第5章が中心)。

(2)気になる点もある。本書でも示されているが、論争に決着がつかないのは、客観的なエビデンスに基づかないところが大きい側面があるから、調査を求めるか、蒸し返し自体を咎めないことのどちらかの方がよかったと思う。また、第5章の論争は評価しているのに、第6章の論争の評価が曖昧な理由がよく分からない。

(3)しかし、(2)に関わらず、英語教育のみならず語学全般について考えさせられた本なので、5点とする。

3.筆者のメモ(素人考え)
 本書のニュアンスよりも、現在は英語のヘゲモニーが強いので、英語は全員が学ぶべきである。会話も大事だろうが、読めないと話にならないわけで(インターネットや学術論文を英語で読むことの重要性が増していると認識)、教養寄りの方法論、すなわち文法重視に意味があると考えている。ただ、アメリカの外交官が日本語を学ぶのに2200時間かかるのに(「『英語母語話者には極めて難しい言語』」(p.259)だから)、日本の中等教育の英語の授業は840時間しかなく(pp.259-260参照)、マスターするのは容易ではないから、工夫が必要だろう。

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紙の本

紙の本近代民主主義とその展望

2023/08/07 21:42

民主主義の 歴史と理念と 現状と

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1.内容
 本書刊行時の1977年においては、世界中のあらゆる国で民主主義が制度化されているが(本書を読めばわかるが、当時のソ連流の共産主義も民主主義と無関係ではない)、それがどのように成り立ち、今後どうなるかを記した本。ギリシアのポリスや、イギリスの立憲主義は、元々民主主義的なものではなかったが(どちらも有権者になるには制限があったから)、それら古の制度や理念をも取り込んで近代民主主義が完成した。

2.評価
(1)近代の民主主義が、民主主義的なものではないものを用いて成り立っているという内容が興味深かった。日本国憲法第43条第1項には「全国民を代表する」とあるが、この表現が実は民主主義的でないことがわかり、目からうろこが落ちた。

(2)民主主義の歴史のみならず、民主主義の何たるかがわかるところがある。特に第2章2b「多数決の原理」のところ。多数決は擬制であり、「少数者の権利(略)の尊重と組み合わされてはじめて機能する」(p.142)ものであることは肝に銘じた方がいい。

(3)アメリカやヨーロッパの民主主義のみならず、共産主義や旧植民地における民主主義を検討していることが、とりわけ現在から見たら新鮮であった。

(4)以上の通りであるから5点とする。

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紙の本

紙の本人種主義の歴史

2023/05/15 21:39

西洋の 歴史から学ぶ 差別かな

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1.内容
 「大航海時代から今日まで」の、主に西洋社会における人種主義(それは人種差別につながる)について概観したものである。いろいろな思想家が人種主義について述べており、その中には差別に反対の見解もあるが、その時代における主流の考えの影響を免れず、人種主義を肯定する記述も散見される。また、差別される側は、されている差別には抵抗しても、差別自体を悪としているわけでなない場合もある。このように、人種主義や差別にまつわる歴史は複雑なものである。

2.評価
 著者の専門(プロフィールによると「フランス植民地史」が専攻)の範囲内で書かれていることは評価が分かれるかもしれない。すなわち、日本に関する記述が少ないと判断されるかもしれない。しかし、西洋社会における人種主義の歴史から翻って日本の歴史を思い返せばいいと思うので点数を減らさない。人種主義の歴史や歴史に複雑さを学べるいい本なので、5点とする。

3.追記
 本書はジェンダー差別についても言及されている。重要と思われるのであえて特記した。

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紙の本

現代語訳でいいし 気付きも もらえる本

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1.内容
 お経の現代語訳、それに関連すると思われるエッセイ、そして、著者が朗読するお経の現代語訳がセットになっている。

2.評価
 本書を読むまでは、(正直、お経を、現代の日本語に訳して何になるんだ?)と思った。しかし、「もともとサンスクリット語やパーリ語だったのが中国語に翻訳され、その中国語をそのまま、日本風のなまり切った発音で、意味のことなんか考えずに唱えている」(本書p.11)のであれば、現代の日本語に訳してそれを朗読するのもありだな、と思った。そしてCDの朗読がなかなか迫力があった。

 また、お経や古典文学について気付きをもらえる本である。例えば、お経は語りであったり(p.12、p.27)、「日本古典文学は(『古事記』等は除いて)ことごとく皆な仏教文学である」(p.265)だったり。

 以上の通りであるから、5点とする。

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紙の本

定年来ても 仕事をしよう ただし役割 変わるけど

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1.内容
 民間企業で働くビジネスパーソン(を主な対象としている。根拠はp.109~「政治家、公務員には、「定年後」は関係ない!?)には「『形式定年』」(p.41)がある。「『形式定年』」が来たからといって隠居するのではなく、働いた方が幸せになれるというのが、郡山史郎の見解である。ただし、今までの実務経験を生かそうとしてはいけない。役割もプレイヤーからサポーターに変わる(p.53参照)。民間の就職サイトも使えない。あらゆるつてを頼って働き口をさがし、今までの実務経験を忘れて、仕事を選ばずに働こう。そのためのノウハウを詰め込んだ本である。

2.評価
 状況は今後変わり得るが、本書刊行時の2022年12月現在でおそらく通用しているだろうから、レビュー時の2024年でもまだ通用するだろう。来るべき定年に供えるシミュレーションとして読んでいいと思う。

 いちいち指摘しないが、郡山の主張は少々しんどい。他の生き方もあろうが、一つの生き方としてしんどいことを否定的に評価しないので、5点とする。

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紙の本

紙の本現代刑務所の作法

2024/03/20 22:27

運悪く 刑務所入所 どんなものか

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1.内容
 大部分が、法社会学者で、「『法務省刑事施設視察委員会』」の「元・委員長」(ともにp.160)である(つまり、学者目線で刑務所を知っている)河合幹雄が案内する刑務所の実態である。

 検察官に送致される事件の被疑者のうち、「刑務所に入れられるのは3万人ほど。つまり、全体のおよそ1%にすぎない」(p.6)人が刑務所に入れられるが(なお、先ほど引用したp.6と同じ時期かは明らかではないが、女性は「年間およそ2000人ほど入所している」(p.31)とのこと)が、不幸にも刑務所に入ったらどういう生活が待っているかを記した部分がメインで、他に拘置所や留置場との比較、死刑の場合、矯正や死刑の問題点が記されている。

2.評価
 河合幹雄によると、刑務所に入る人と入らない人の違いは「『運』も大きく関係していると思われる」(p.173)という。ある程度生きていれば誰でも河合の見解に賛成だろう。というわけで、好奇心のみならず、もし刑務所に入ってしまったらどうなるのか、というシミュレーションはしておいて損はない。もちろん、法学士の筆者(といっても、そういう人は、筆者を含めごまんといるが)としては、刑務所の作業について否定的な評価をしていない(p.48,p。54にある、報奨金の話。報奨金を抑えていて作業の製作物を安く売っているとすれば、民業圧迫だったり、出所後の更生の問題だったりが生じるはず)といった欠点は指摘できるが、それよりも、学者目線で見た刑務所の実態、矯正全体の問題点まで書いてあって有益だったので、5点とする。

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紙の本

紙の本客観性の落とし穴

2024/03/17 22:53

客観性で 生きにくくなり 経験もっと 重視しよう

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1.内容
 科学の進化などによって、「自然も社会も心も客観化され」(p.149)るようになった。数値が力を持ち「人々が競争に追いやられる」(同)ようになった。一方で、「個別の経験の生々しさが忘れられがちになった」(p.150)。その結果、人は生きづらくなった(村上靖彦の見解)。もちろん客観性を全否定するわけではないが、生きづらくなっては行き過ぎである。そこで本書は、「個別の経験の生々しさ」を取り戻し、より生きやすい社会を作るために何をすべきかについて、「現象学」等のキーワードを用いて説明するものである。

2.評価
(1)参考文献に、小田中直樹.歴史学のトリセツ:歴史の見方が変わる時.がある(p.190)。思考の流れが、小田中の本の流れに似ており、面白かった。すなわち、小田中の本を読めばわかるが、歴史学は、客観性を重視したランケ派が今も主流であるが、オーラルヒストリーといった、「個別の経験の生々しさ」を取り上げた方法も用いられるようになった。本書のように、客観自体を否定はしないが、その問題点を克服するために「個別の経験の生々しさ」に焦点を当てるのは、大げさに言えば現代社会の流れに乗っている。

(2)内容面でも、客観性を全否定せず、「個別の経験の生々しさ」に焦点を当てようとする問題意識は、筆者はなるほどと思ったし、他の読者も読めばそう思うだろうと勝手に推測する。筆者は第8章の「アウトリーチ」をした・された経験がなく、読む限りではどちらもしんどそうに感じるが、筆者の経験不足が原因と思われるので点数は減らさない。

(3)以上の通りであるから、5点。

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紙の本

「おふくろの 味」の変遷 たどった本

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1.内容
 そもそも料理というのは女性が作るものとは決まっておらず、場所によっては男性が作ることもあったが(p.39「女は機織り、男はかしき」)、家庭料理は「おふくろの味」とされている。その変遷をたどった本。第2次世界大戦後の日本における集団就職のような大都市への移動、農村部を起こすビジネス、核家族化、マスメディアの影響、これらが絡み合って「おふくろの味」が作られたが、それは、日本において、親から子へ受け継がれたというものではない。

2.評価
 書かれてみればその通りで、筆者にとっての「おふくろの味」も、母が祖母から教わったものではない。筆者の個人的体験を真実とするわけにはいかないが、本書に書かれたことに共感する人が多いと勝手に思っている。

 筆者はp.274-277の付録から読んだからか、「おふくろの味」の文献がたくさんあり、時代によって傾向が違う(主に第5章)ことが説明されているのがなるほどと思った。

 そのほか、都市部、農村部、核家族と言った、多方面からの検討がなされているのも面白かったので、5点とする。

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紙の本

紙の本さらば、男性政治

2024/03/11 22:09

政治の上で ジェンダー平等 目指そうよ

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1.内容
 日本の政治の問題の一つは男性政治である。ケアが免除されている(とされる)男性しか政治家として活動できる、女性が政治家として活動するのは困難を極める(ケアとの両立が大変なうえに、ハラスメントも受ける)。その結果、政治家ではない女性が苦境に陥る状況は改善されていない。そこで本書では、クオータ(クオーター、ではない。p.197)制の導入等を提唱し、政治の上でのジェンダー平等を目指すことを主張する。

2.評価
 筆者は先日、ブリントン,メアリー・C.縛られる日本人:人口減少をもたらす「規範」を打ち破れるか.中央公論新社,2022,(中公新書2715).を読み、ジェンダー格差の温存が、ポスト工業社会において出生率が相対的に低い日本の現状を招いていることを知った。このような現実を打破するには、政治の面でもジェンダー平等を目指して、男性にも女性にもやさしい政治にしないとダメだと思ったので(かつてのマドンナ旋風のように、女性の政治のみの強調では限界がある。本書p.255-256参照)、本書の問題意識はぴったりであった。

 内容面では、女性が直面する政治的困難が書かれていること、クオーター制を提唱していること、女性が増えることのメリットを"慎重に"検討していること(第7章)などから、有益な本だと思うので、5点とする。

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紙の本

教科書を 読んで経営 してみよう

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1.内容
 「ビジネスに役立つ(、とりわけ、経営学を中心とした。筆者補足)本を『教科書』と位置づけ、教科書を生かしたマネジメントの在り方を、経営者、学者の取材を通して明らかにする」(p.1)本である。それぞれの経営者がどう本を選び、どう経営に生かしたかを書いている(筆者が読んだ限りでは、つまみ食いではなく、1冊の本全体を生かそうとする経営者が多い印象だった)。

2.評価
 もちろん、本書定義の「『教科書』」を読まなくたって成功する経営者もいるだろうし、本書定義の「『教科書』」を読んでも成功しない経営者もいるだろう。また、本書を読んでもダメな人もいるかもしれない。しかし、本書のような「教科書を読もう」という視点は、筆者の知る限り斬新であるし、現時点で成功していない経営者にとってはヒントとなる可能性があると思われることから点数を減らさず、5点とする。

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紙の本

紙の本世界を動かすイスラエル

2024/02/08 22:03

イラン敵視が大きい 中東情勢

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1.内容
 本書初版は2020年7月10日なので、その時までの、すなわち、アメリカの大統領がドナルド・ドランプの時までのイスラエルと中東情勢を書いた本。トランプは、アメリカ大統領の中で最もイスラエル寄りであったが、エルサレムを首都とするなど、イスラエル寄りの政策を次々と実現させる。そうなると、周辺のイスラム諸国は黙っていないはずだが、デモが少しあっただけで穏やかであった。その理由の一つは、周辺のイスラム諸国がイランを敵視していることである。

2.評価
(1)たしかに2020年の本で、現在のアメリカの大統領はトランプではなくジョー・バイデンなので、古くなっている。

(2)しかし、イスラエルや中東の問題の背景がわかる本なので5点。イランというのはシーア派の国であり、イスラム教の中では少数派であるが(島薗進.宗教って何だろう?.平凡社,2017,(中学生の質問箱),p.136-138をご一読)、それゆえか、周辺のイスラム教国がイランを敵視していることがイスラエルにも有利に働いている(もちろん、同じイスラム教の地域のパレスチナが苦境に陥っていることと表裏一体だが)ことを知ることができて有益であった。そのほか、イスラエルのビジネス事情(実は日本は出遅れた)、原油価格の影響(アメリカのシェールガス革命はサウジアラビアの地位を相対的に押し下げた)などが書かれており、それも有益だった。

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紙の本

紙の本小学校英語のジレンマ

2024/02/05 22:09

小学校 英語の効果 それほどでも

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1.内容
 本レビュー執筆当時である2024年において、「外国語活動」(筆者がすべてを調べたわけではないが、本書で「英語」が取り上げられているので、以下も外国語=英語として論じる)が小学3、4年生の必修になり、「外国語」が小学5、6年生の必修になった。しかし、それ以前の、平成20年、21年改訂の学習指導要領で小学5、6年の必修だった「外国語活動」の効果も明らかではないうえに、、本書刊行当時の2020年においては、予算や教員の負担を看過できない。本書では、小学校段階における外国語学習の歴史(「外国語活動」等を導入することの賛否も含め)をまずは振り返り、実際に効果があったのか、また、小学校英語導入における負担面をも検討する。

2.評価
(1)本書においては、現在の「外国語」が採用されるまでの歴史が概観できるのがよかった。小学校段階の「外国語活動」は、外国語を身に着けるのではなく、国際理解等が主眼であることを知らなかった。

(2)次に、可能な限り「外国語活動」の効果に迫ったり、日本において外国語が必要かどうかの検討がなされており、なるほどと思わされる出来であった。「外国語活動」の経験の効果は微弱であり、英語使用は右肩上がりで増えるわけではない(第8章)ということは、本書を読まないと考えないだろう。以上の通りであるから5点。

3.本書においては、まず「はじめに」と「おわりに」を読んで著者の見解をざっと掴み、第2(アラビア数字に直した)部から読み始めた方が、退屈しなくていいと思う。

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紙の本

やってみたく なるうえ比較も 面白い

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1.内容
 村田和代や社会言語学の選考で、社会言語学は「言語(ことば)を社会との関わりで見ようとする言語学の一分野」(p.2)だそうだが、村田の立場から、あるべきコミュニケーションを探求した本。端的に言うと、「雑談、聞くこと、双方向」(p.193)が大事ということになる。

2.評価
(1)正直、一読の限りでは、本書の妥当性はわからない。しかし、読後に、本書のようにやってみようという気になる本である。すべての状況に当てはまるわけではないが、例えばp.59の「肯定的なコメントやほめ」など。

(2)比較が面白かった。英語圏と日本の比較(p.69~、p.169~)、東京都知事、大阪府知事、内閣総理大臣との比較(第4章。村田の授業では知事の評価が高く、内閣総理大臣の評価が低かったが(p.97-98)、それは立場の違いがあるのではないかと筆者は個人的に思っている)。内閣総理大臣は「言い切り型」(p.115)を用いていると村田は分析している。筆者はそれでいいと思っていたが、そうではないものだと考えさせられた(もちろん、その他の要因もある。それは本書を読めばわかる)。

(3)以上の通りであるから、5点。

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紙の本

忘れてもいい バランスよく使おう

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1.内容
 
 人は物忘れを嘆くものだし、認知症の場合もあるが、エピソード記憶のように忘れやすい記憶もあるが、実は問題ない。それどころか、脳には忘れる機能があり、その機能が働かないと病気になってしまう。ところで、脳には、分散系と集中系の機能があるが(p.101)、そのどちらかのみを用いる状況では不具合が生じるので、分散系と集中系の脳の機能を交互に使う必要がある(p.145表1も参照)

2.評価

(1)筆者は脳科学や医学の専門家ではないが、おぼろげながら、記憶しているから新しい知識を記憶できないものだと思っていたが、それが説得力を持って書かれていることに感嘆した。

(2)方法が思ったより少ない印象だったが、前述p.145表1のようにまとまったところがあるのがよい。

(3)p.109「運動したり」と、p.65-66「(忘却しないためには。筆者補足)できれば日課のランニングを控えて」の整合性が怪しい、など、少々疑問点もあるが、脳に関する知識が豊富((2)のようなことはあるが)なので点数を減らさず、5点とする。

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