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元朝秘史―チンギス・カンの一級史料
著者 白石典之 著
電子版は本文中の写真をすべてカラー写真に差し替えて掲載。
蒼き狼と白き牝鹿の伝説に始まる『元朝秘史』。チンギス・カンの生涯と事績を中心に、はるかなる祖先の系譜から第二代君主オゴタイの治世までを綴った、モンゴル帝国研究に不可欠な文献である。史書ながら、異母弟殺し、妻ボルテの誘拐、後継の座をめぐる息子たちのいさかいなど、生々しいエピソードも少なくない。魅力に富む壮大な歴史絵巻を、現地での発掘調査に長年携わってきた考古学者が、新知見を踏まえて解説する。
元朝秘史―チンギス・カンの一級史料
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2024/10/09 04:48
草原の民が崇め続ける、英雄の実像に近付く為の手引書
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は確かに、著者が冒頭で
ことわっている通り、「元朝秘史」の、
翻訳ではなく、案内書です。
が、単に話の筋を解説するだけの、
案内書では決してありません。
本書の真骨頂は、「元朝秘史」の記述のうち、
史実と思しき、或いは近い、部分を、
「元史」、「聖武親征録」、「集史」といった
歴史書と照らし合わせつつ、
かの草原の覇者と彼の一族郎党の
行った事柄と、起こした事件とを、
描き出すことにあります。
著者がそれを主に、文献上の情報に、
専門とする考古学上の知見から検討を
加えることで成し遂げようとしている点が、
本書の一大特徴と言えるでしょう。
また、勢力圏や戦役の模様を示す地図、
図表、関連年表、和漢洋書の文献目録、
索引は、読者が本書の内容を理解する上で、
小さからぬ助けとなるでしょう。
さて最後に、この投稿書評を投稿しようと、
この頁を開いて、商品説明文中にある、
「電子版は本文中の写真を
すべてカラー写真に差し替えて掲載。」
というくだりに気付きました。
これは、一部の読者にとっては、
読み飛ばすべきでない情報だと、
本書を紙版で読んだ者として、思いました。
文庫本に付されている、著者以外の
書き手による解説文が、電子書籍版では
削除されていることなどは、ままあることですが、
本書の場合は電書籍版の内容の方が、
紙版のそれよりも充実している、
とでも言えましょうか。
本書に限らず、書籍を購入する際には、
紙版と電子版との体裁や細部の比較が
欠かせないと思う所以です。
2025/05/12 17:20
チンギスカンの一代記
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
チンギスカンの生涯を中心にモンゴル人の由来からオゴデイの時代まで記した元朝秘史についての解説本。明朝にモンゴル語を学ぶために漢訳されたという伝来の経緯や考古学とも合わせた記述の検討など面白かった。