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地震と虐殺 1923-2024
著者 安田浩一 著
「朝鮮人が暴動を起こした、井戸に毒を投げ込んだ……」。関東大震災の発生直後、各地で飛び交ったデマによって多くの朝鮮人が命を奪われた。非常時に一気に噴き上がる差別と偏見。東京で、神奈川で、千葉で、埼玉で、悲惨な事件はいかなるメカニズムで起きたか。虐殺の「埋もれた歴史」は誰によってどのように掘り起こされてきたか。100年余りが経過した現在、何が変わり、何が変わらないのか。歴史的事実を葬ろうとする者たち、人災を天災の中に閉じ込めようとする政治家、差別行為にお墨付きを与える行政……。差別やヘイトクライムの問題を長年追ってきたジャーナリストが100年余り前と現在を往還し、虐殺事件が及ぼし続ける様々な風景を描く。
地震と虐殺 1923-2024
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2024/12/23 13:02
だんだんと矮小化されて
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
関東大震災の朝鮮人虐殺について、当時の官房長官、松野博一は「調査した限りでは事実関係を把握できる記録が見当たらない」と逃げ、小池知事は「歴史家が考えること」と突き放す。安倍政権が発足して依頼、政府の右傾化が進み、居丈高に「虐殺なんてなかった」と地方議員は言い放つ、役人は彼らに忖度し事実は矮小化していく、本当に虐殺なぞなかったがごとく。決してパニックに陥った市井の人々の犯罪ではないのだ、どこにパニックに陥ったから人を殺しましたといって許される世界があるのか(100年前のどこかの国を除いて)、彼ら(軍隊、警察、自警団)は日ごろから差別していた朝鮮人が地震に乗じて仕返しにくると真剣に考えていたのだ、だから彼らを蚊を叩くようにして殺したのだ、報復されないようにと。