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2件
ケルトの歴史と文化
著者 木村正俊 著
ヨーロッパ文化の基層の一つをなすケルト文化。その古代から現代にいたる広大な流れを、一書にまとめたのが本書である。めざましく進化・進展しているケルト研究の現状をふまえ、旧版から増補・補遺、表記の修正などをほどこしたうえで、増補新版として中公文庫化した。
専門性を意識しながらも、一般読者層にも広く読まれるように、わかりやすい記述を心がけており、図版を比較的多く掲載しているのも本書の特徴となる。ケルト人の歴史と文化を知るうえで、必要な知識と情報を幅広く集めた雄編だといえよう。
ケルトの歴史と文化(下)
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ケルトの歴史と文化 下
2020/08/30 11:28
ケルト文化を専門的に研究されている木村正俊氏による分かりやすいケルト人とケルト文化について書かれた稀有な書です!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、アイルランド文学及びスコットランド文学、さらにケルト文化を専門に研究を続けておられる木村正俊氏の作品です。中公文庫からは上下2巻シリーズで刊行されているうちの下巻にあたります。同書では、古典古代のギリシア・ローマ文化のような巨大な規模ではないにも関わらず、さまざまな面で、世界史的に輝かしい遺産をおびただしく多く残したケルト文化について詳述した貴重な書です。同書では、ケルト文化といえば、マイナーな文化と受け止められる傾向もありますが、決してそうではないと主張されています。ブリテン諸島の一部やフランスのブルターニュ地方などでは、古代ケルト人の末裔とされる人々が現在も生き、民族のアイデンティティとなるケルト語を話し、固有の文化伝統を守り続けているからです。ヨーロッパの「未開の地」に起源をもつケルト文化は、「森の民」にふさわしい生命的で自然的な文化要素を持ち、古代ギリシア・ローマの地中海世界とは異なる文化要素をいまなお発信していると強調されています。ケルト文化を知るために、ぜひ、読んでおきたい書です!
ケルトの歴史と文化 上
2020/08/30 11:23
ヨーロッパ文化の基層をなずケルト文化について分かりやすく解説された書です!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、アイルランド文学、スコットランド文学、ケルト文化を専門に研究され、『ケルト:生と死の変容』、『ケルト:口承文化の水脈』、『スコットランド文化事典』、『スコットランドの歴史と文化』などの著作を発表されている木村正俊氏の作品です。同書は、ヨーロッパ文化の基層の一つをなすケルト文化について書かれた貴重な書です。めざましく進化し、進展しているケルト研究の現状をふまえ、旧版から増補・補遺、表記の修正などをほどこしたうえで、増補新版として中公文庫化されたものです。上下2巻シリーズで刊行されており、専門性を意識しながらも、一般読者層にも広く理解できるように、わかりやすく記述されています。図版を多く掲載しているのも大きな特徴です。ケルト人の歴史と文化を知るうえでの決定版と言えるのではないでしょうか。