- みんなの評価
6件
劒岳〈点の記〉
著者 新田次郎 (著)
日露戦争直後、人跡未踏といわれ、登ってはいけない神の山と恐れられた北アルプス、劒岳(つるぎだけ)。正確な地図をつくるため、この山頂に「三角点を埋設せよ」との至上命令を受けた測量官、柴崎芳太郎。たいへんな悪路と悪天候、かさばる器材の運搬、地元の反感などの困難と闘いながら、柴崎の一行は山頂を目ざして進む。同じく劒岳の初登頂をめざす、アマチュアの日本山岳会隊の動きに、上官からの圧力はさらに増して…山岳小説の白眉といえる傑作。映画原作!
劒岳〈点の記〉
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
劒岳 点の記 新装版
2012/08/19 20:32
小さなことの積み重ね
10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:桔梗 - この投稿者のレビュー一覧を見る
剣岳
“弘法大師が草鞋三千足を使っても登れなかった”と
“登れない山 登るべき山ではない”と言われ 地獄の針山に喩えられていた険しい山
明治時代 まだろくな地図がない頃
前人未踏の剣岳への登頂を挑む 測量隊の熱い男達のドラマ
地図を作る その測量のための三角点を山頂に設置する
その目的のために剣岳に挑む測量官の柴崎とその部下たち
初登頂を目指す山岳会との先着争い 立山信仰を妄信する人たちや県職員からの嫌がらせなどの苦難が立ちはだかる中
なにより厳しいのは 剣岳そのもの
山と向き合い 人と向き合い
自分と向き合う
登ること進むことに必要なのは 最新の装備や何か大きなものではなく 小さな工夫と努力の積み重ねだ
偉業というのは 案外 ひとつひとつは小さくて地味なことの積み重ねなんだろう
測量官の柴崎や案内人の長次郎が お互いを信頼し 誠実にこつこつと地道な努力を積み重ねる姿が 実に印象的
努力をするというのはかっこいい そう思う
劒岳 点の記 新装版
2019/05/12 09:44
明治時代に生きた人の生き様を見た
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:バベル - この投稿者のレビュー一覧を見る
いままで登った人のない剣岳を、地図を作る目的で登った人の生き様が見事に書かれている。山岳ファンでなくても読み応えのある一冊です。
劒岳 点の記 新装版
2016/02/18 03:33
最初から最後まで読み応え充分
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画化され興味を持った山岳小説。政府から依頼された山の測量。しかしそこは山岳信仰の神の山。人間が足を踏み入れるには畏れ多いところ。自然への畏怖が生きていた時代の話。ためらいはあるが仕事なので測量しなければならない。現地での案内人に名乗りを上げた男の勇気。息子から白い目で見られるがやり遂げた意志に敬服。交通、測量技術、現代では考えられない困難につぐ困難を乗り越え、測量を進めていく。仲間の心を掌握しながら、チームワークで仕事していく様は読み応え充分。そして迎えた頂上で目の当たりにした事実。最後まで面白かった