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11件
スクラップ・アンド・ビルド
著者 羽田圭介
「じいちゃんなんて、早う死んだらよか」。
ぼやく祖父の願いをかなえようと、孫の健斗はある計画を思いつく。自らの肉体を筋トレで鍛え上げ、転職のために面接に臨む日々。
人生を再構築していく中で、健斗は祖父との共生を通して次第に変化していく――。
瑞々しさと可笑しみ漂う筆致で、青年の稚気と老人の狡猾さを描ききった、羽田圭介の代表作。
新しい家族小説の誕生を告げた第153回芥川賞受賞作が待望の文庫化!
スクラップ・アンド・ビルド
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2024/06/27 21:48
リアルな家族小説
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぼん - この投稿者のレビュー一覧を見る
全く予備知識無しで読み始めたのだが、結論から言って主人公は凄く良い青年だと思った。求職中の身とはいえ、あの年頃の男性が祖父のことをあんなに考えて自分の時間・労力を割くなんて、なかなか出来ないと思う。介護の動機だけをみると「酷い人物だ」と思われやすいだろうけど、たとえ主人公とおなじ状況であっても、祖父と関わらない若者の方が現実社会では大半なのではと思う。
主人公は終始、自分自身や物事をコントロールできているつもりでいるけど、最後のシーンで心細さや不安を吐露していて、弱さが露呈する。主人公が自覚していた万能感は、人生のエンディングを迎えつつある祖父を前にした限定的なものであり、一歩外に出て同年代の人々と自分を比較しはじめると跡形もなくなってしまう。
初めて読む羽田作品だったが、登場人物たちはもちらんのこと、筋トレや介護においても描写がとてもリアルで、予想以上に満足した。
2023/11/17 09:49
介護、老い、第二新卒・・・様々なキーワードが、日常のなかで覆い被さってくる。 綺麗事でない現実のなかで、一気に読まされた。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る
介護、老い、第二新卒・・・様々なキーワードが、日常のなかで覆い被さってくる。
綺麗事でない現実のなかで、一気に読まされた。
バラエティの出演などで「又吉じゃない方受賞者」として、個性的な一面のみ取り上げられることも多い筆者だが、現実を書き出し、えぐられる感じがした。
スクラップ・アンド・ビルド
2023/10/14 14:45
現実を書き出し、えぐられる感じ。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る
介護、老い、第二新卒・・・様々なキーワードが、日常のなかで覆い被さってくる。綺麗事でない現実のなかで、一気に読まされた。バラエティの出演などで「又吉じゃない方受賞者」として?個性的な一面のみ取り上げられることも多い筆者だが、現実を書き出し、えぐられる感じがした。