- みんなの評価
2件
すべては「好き嫌い」から始まる 仕事を自由にする思考法
著者 楠木建
仕事は晴れの日ばかりではない。努力をしても成果が出ない。思うような評価が得られない――では、どうしたらよいのだろう?
・インセンティブに頼らない仕事術とは?
・「良し悪し」よりも「好き嫌い」――「コレクトネス」の奴隷になるな!
・UMS(ユニクロ、無印良品、サイゼリア)にみる独自価値の創造
・アマゾンの競争優位の正体は「順列」にあり
・「今こそ改革を!」を演説する社長を信用しない理由
・「勝ち組・負け組」と騒ぎ立てる人のイヤらしさ
・「ダイバーシティ経営」の落とし穴…etc
『ストーリーとしての競争戦略』の著者が贈る「究極の仕事論」。
成熟社会における仕事・ビジネスの活路を指し示す画期的考察がここに。
すべては「好き嫌い」から始まる 仕事を自由にする思考法
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
すべては「好き嫌い」から始まる 仕事を自由にする思考法
2019/06/01 12:49
現代の違和感は「良し悪し族」の横行
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:だい - この投稿者のレビュー一覧を見る
■仕事
仕事と趣味は本質的に異なる
価値の受け手の為にやるのが仕事であり、アウトプットを客が評価し、受け入れなければ仕事にはならない
経験してみないことには始まらない
想像の決定的な弱みは平面的なこと
立体的で奥行があるところに実体験の重みがある
偉い人ほど謙虚である
自分の強みは条件付きの強みであり、自分のダメなところ弱いところを自覚している
自分がやりたいことをやる
自分が好きな仕事でフルスイングする
これが起点にして基点である
マーケットイン
そこにある需要に合わせて何を供給するかを決める
プロダクトアウト
その先に需要があるとは限らない
自分が提供したいものを需要と結びつけるには、試行錯誤が必要
■会社
経営の王道は、長期利益の創出
稼いでいれば、社会貢献できる
長期利益は全てのステークホルダーをつなぐ経営の基本線
カラーの違う会社の存在は、社会的多様性の源泉である
企業や経営が評価される場
・競争市場 お客様が評価する
・資本市場 投資家による評価
・労働市場 経営に対する規律
戦略の正体
意図された順列にある
戦略は個別の打ち手を時間的な奥行きに配列したストーリーでなくてはならない
競走の中で他社との違いを作っているのは、論理的な時間軸の上で繋がったストーリーにある
誰もが注目している飛び道具や必殺技に寄りかかると、独自性や差別化が薄れてしまう
材料や組み合わせであれば外からある程度は推測できる
が、手順(順列)は外からは分からない
だから、料理人はレシピを秘匿する
価値においてシンプル、プロセスにおいて複雑、これが儲かる商売の原理原則の一つ
変革は創造的破壊
創造ではなく破壊から始まるプロセスである
変革の成否は破壊にかかっており、順番が肝心
破壊の決断と実行は、最高意思決定権限者の社長に他ならない
変革を志す人は、構造改革という制度設計に逃げてはいけない
今そこにある特定の問題を解決し、具体的な成果を出し続けていく動きが制度化され、構造として定着する
→「運用が先、制度は後」
経歴と実績
経歴は、位置エネルギー
組織が大きくなれば、経営者の位置エネルギーも大きくなる
実績は、運動エネルギー
経営者の行動を問うものであり、ビジネス成果を最も大きく左右する要因
経営者の実質
企業家は、革新的で独立独歩で大きな報酬のために限界以上のリスクを冒す
経営者は、比較的小さなリスクを冒すことしか許されないし、そこに評価がかかっている
実績のみが実在であり、自信、能力、勇気の尺度である
■世の中
モノの価値
人は、モノやサービスの価値をほとんど相対的に認識している
必ず何らかの比較対象「準拠点」を設定し、意思決定する
売る側にすれば、顧客に何と比較させるかの準拠点設定操作が商売のカギになる
インターネットの匿名性
そこには個人はないので、そもそも個人の好き嫌いが、不特定多数の共通した人々の良し悪しにすり替わる
インターネットの普及により、個が消失してきている
ダイバーシティ概念の間違い
ダイバーシティは本来的に一人ひとりの「個人」に対するものであり、個人の好き嫌いを見過ごしている
強力な統合がなければ、本当に多様になるとマネジメントの手に負えなくなり、組織が崩壊する
みんなが「良い」とされるダイバーシティの方向に進んで行くと、結果として個別組織の個性は失われる
すべては「好き嫌い」から始まる 仕事を自由にする思考法
2020/04/23 20:38
学歴偏重、序列社会への警鐘と理想社会への招待状!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:neoaco - この投稿者のレビュー一覧を見る
日々社会生活を送る中で、圧倒的にその数が多い良し悪し族に辟易としておりましたが、幼少から競争に晒され、やっと掴んだ社会的立場を守り抜きたいと言うその歪んだ自尊心、理解できなくもないと受け流しておりました。ま、そんなに理性的・理知的に力まずもっと本能的・感情的に好きか嫌いかで生きて行くのも気持ちいいのではないかなあ?世の中の複雑化が進む中、益々すっぱり分けられないことって増えてくるでしょうし。