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2件
神さまを待っている
著者 畑野智美
誰にも「助けて」と言えない。
圧倒的リアリティで描かれる貧困女子の現実。
文房具メーカーで派遣社員として働く26歳の水越愛。
会社の業績悪化で派遣切りに遭い、失業保険を受けながら求職活動をするが
どこにも採用されない。アパートの更新料や家賃、住民税、そして食費…
あっという間にホームレスになった愛は、漫画喫茶に寝泊まりしながら
日雇いの仕事を始め、前の生活に戻ることを目指していたが、次第に
価値観、自己認識が揺らぎ始める。
同じ境遇の女性たち、「出会い喫茶」に来る客との交流。
生きるために「ワリキリ=売春」をやるべきなのか。
ここまで追いこまれたのは、自己責任なのだろうか。
大学に進学し、勉強や就活に励み、まじめに勤めていた女性が
またたくまに貧困に呑み込まれていき、抜け出せなくなる。
著者自らの体験をもとに描いた「貧困女子」長篇小説。
解説は 俳優・佐久間由衣
※この電子書籍は2018年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
神さまを待っている
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神さまを待っている
2021/12/08 04:31
貧困
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆかの - この投稿者のレビュー一覧を見る
いつ自分がホームレスになってもおかしくない、明日は我が身かもしれない。
今こうして家があって食事ができて、本を読むという贅沢もできていることが尊いものに感じられる、そんな内容だった。
真面目に生きていても、貧困はすぐそばで姿をちらつかせているような気がする。
何かあったとき、自分には神さまがいてくれるのか…いろいろと考えさせられる。
2024/09/07 21:04
かなりの衝撃・・・
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マツモトキヨシ - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み終わった後、登場してくるあの子やこの子はどうなったのか
そればかりが気になった。
お金のためにあちら側へ行った女性たちが浅はかだと
思う人も多いだろうがこの本を読んだらそう思えなくなる。
まさに命がけの行動だ。
主人公だけが救われても意味がない。
ラストに救っても救われない事もあるみたいなセリフが出てくるけど
それでもあきらめないで欲しいと願わずにはいられない。