- みんなの評価
1件
女たちのシベリア抑留
著者 小柳ちひろ
大きな反響を呼んだ「戦争と女性」に迫るノンフィクション。
シベリア抑留者の中に女性捕虜が存在したことは、長く歴史の影に埋もれてきた。戦後七十年以上沈黙してきた女性たちの貴重な証言集。
終戦直後、満洲や樺太などにいた軍人や民間人など60万人近い日本人がソ連によって連行された「シベリア抑留」。その中に数百人から千人近い女性捕虜が存在したことは、長く歴史の影に埋もれていた。関東軍の陸軍病院で勤務していた従軍看護婦や軍属として働いていたタイピスト、電話交換手、開拓団の民間女性、そして受刑者たちが、極北の地シベリアに送られていたのである。その中には「女囚」として10年を超える抑留生活を送った女性や、日本に帰る場所もなく異国の地で人生を全うした者もいる。帰国を果たした女性たちにとっても、故国の人々のまなざしは決して温かいものではなかった。
戦後70年以上、長く沈黙を守ってきた女性たちをインタビューすることに成功し、2014年にNHK・BS1スペシャルで放送されたドキュメンタリー「女たちのシベリア抑留」は、文化庁芸術祭賞優秀賞、放送文化基金賞奨励賞、ATP賞テレビグランプリ優秀賞、ギャラクシー賞奨励賞、NHK放送総局長特賞など、その年のドキュメンタリー部門の賞を総なめにした。その番組を担当した女性ディレクターが綴る本格ノンフィクション。ロシア側から初めて提出された女性抑留者の記録「登録簿」の内容も明らかになる。
※この電子書籍は2019年12月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
女たちのシベリア抑留
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
女たちのシベリア抑留
2022/09/07 10:46
女性のシベリア抑留
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
シベリアに抑留されたのは軍人だけではなかった。一般人も女性も収容されていたのだ。
中立条約を結んでいたソ連が終戦間際に突然満州に攻め込んできた。ソ連が軍人だけでなく一般人、そして女性にまで牙を向ける。陸軍病院にいる日赤から派遣された看護婦や満州で勤労奉仕で集められて結成された菊水隊の看護婦も避難を始めるが、ソ連に捕らわれ、収容所に入れられる。収容所で何があったのか、帰国した女性たちからの証言を集め、シベリア抑留の生活等の事実を丹念に拾い上げられた作品。
シベリアで抑留されたのは軍人、戦争に参加した一般人だけだと思ってました。自分の無知を嘆きます。すべての事実が表面化されることはないのでしょうが、取材は続けてほしいと思います。我々、日本人はもっと過去の歴史に目を向けるべきだと思います。