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2件
帰艦セズ
著者 吉村昭
徹底した取材から浮かび上がる「事実」の重み――必読の七短篇
昭和19年、巡洋艦「阿武隈」の帰還兵・成瀬時夫が、小樽郊外の山のなかで「飢餓ニ因ル心臓衰弱」で死んだ。
市役所を退職し、いまは北海道の民衆史研究会で活動をする橋爪は、自らの過去の経験から、成瀬は“逃亡”したのではないか、と直感。
遺族を探し、調査をするようになる――。
長篇小説『逃亡』と合わせ鏡のようになっている表題作をはじめ、大阪の篤志面接委員から聞いた話をもとにした「鋏」、ある寺の墓石をつくる石材店主がもらしたことがきっかけとなった「白足袋」、能登の岩海苔採りの遭難を報じた新聞記事がヒントになった「霰ふる」など、全7篇。
不可解な謎を秘めた人の生の、奇妙な一面を見事にすくい上げ、徹底した取材と想像力により文学作品に結実した短篇集。待望の新装版。
文庫解説:梯久美子(ノンフィクション作家)
※この電子書籍は1988年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
帰艦セズ
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2025/03/29 20:42
素晴らしいです
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルにもなっている帰艦セズは、先日読んだ、逃亡の後日談という形式になっているのですが、この一編が読みたくて読みました。戦争中に軍隊から逃亡するということは大罪であったということで、現代の何に変えられよか。
帰艦セズ 新装版
2024/04/16 12:42
それぞれの物語には
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:バベル - この投稿者のレビュー一覧を見る
吉村昭氏が経験したり、聞いたりした短編の物語であるが、そこには人の思いや苦しみが見てとれる。