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52件
竜馬がゆく
著者 司馬遼太郎 (著)
総発行部数2500万部超! 坂本竜馬の奇蹟の生涯を壮大なスケールで描く、司馬文学の金字塔、遂に電子化!
土佐の郷士の次男坊に生まれながら、ついには維新回天の立役者となった坂本竜馬の奇蹟の生涯を、激動期に生きた多数の青春群像とともに壮大なスケールで描きあげる。司馬遼太郎の永遠のベストセラーが半世紀の時を経て、電子版で新たによみがえる!
第1巻/生まれ落ちたときから背中一面に旋毛がはえていたため、豪気な父は、”千里の駿馬”になるかもしれないと、竜馬と名付けた。が、十二になっても寝小便する。近所の子から「坂本の寝小便ったれ」「坂本の泣き虫」 とからかわれ泣かされて帰ってくる。字を満足に覚えられず、寺子屋の師匠に見捨てられる。そんな竜馬は、十四歳の時に小栗流の道場に通いはじめてから、にわかに顔つきまで変わっていった。竜馬は強い――。幼年時代から、江戸での剣術修業、奥手だった青年時代、人斬り以蔵、桂小五郎との出会いなどを描くシリーズ第1作
竜馬がゆく(八)
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竜馬がゆく 新装版 1
2009/05/09 03:45
竜馬像の原型
10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:白みそ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある小説の登場前後で、歴史上の人物の評価が一変することがまれにある。
例えば、吉川英治が宮本武蔵を描かなければ「五輪の書」が現在のように広く読まれることはなかったであろう。吉川英治が描いた武蔵は、現代の日本人が描く武蔵像そのものであるといっても言い過ぎではない。
坂本竜馬についても、同じことが言える。司馬遼太郎が描く竜馬は現代の日本人の竜馬像そのものといえるだろう。
だが、どれだけ史料を渉猟しても、小説である以上、それは作者が創作した世界であり、その小説が優れたものであればあるほど、作者の創造力がその世界に巧みに組み込まれているものなのだ。
司馬遼太郎が描く竜馬は魅力的である。もちろん、竜馬がもともと魅力的な人物でなければ司馬が小説の主人公に選ぶことはなかったであろうが、史料の中に埋もれかけ、教科書や百科事典の中にしか記されない人物になりかねなかった人物をこれほど生きいきした姿で描く司馬遼太郎の想像力は驚嘆に値する。
多くの読者が、小説であると知りながら、司馬の描く竜馬が坂本竜馬そのものであるという感覚にとらわれるのは、史料という縦糸と自己の創造力という横糸を巧みに織りあげた作者の力量ゆえであろう。
司馬は吉川の作り上げた武蔵像に挑戦するように「真説 宮本武蔵」を著した。司馬の作り上げた竜馬像に挑戦し成功する小説家は現れるであろうか。
竜馬がゆく 新装版 1
2006/10/09 20:13
竜馬がゆく
8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しん - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本を読み幕末という時代に興味を持ちました。
今までこれほど影響を受けた本はありません。
読めば読むほど引き込まれていく。
そんな魅力のある本です。
竜馬がゆく 新装版 8
2009/12/09 13:47
男たちのそれぞれの志(こころざし)
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:桔梗 - この投稿者のレビュー一覧を見る
幕末という激変する時代
それぞれに己を貫き 駆け抜けた男たちの姿は実に魅力的
特に竜馬の生き生きとした姿 そして“志”に共感
おのおのがその志のままに生きよというのが竜馬の基本的な考え
フィールドやアプローチの仕方はそれぞれでも それを理解し認めて生かしてくれる
そんな心寛やかな竜馬だから人が集まったのだろう
そうして持ち寄られた人々の知恵と力によってなされた偉業 薩長連合とそれにつづく大政奉還
それが竜馬の念願であったのかと思いきや その後の新政府の計画には自分の名を連ねず『世界の海援隊をやりたい』と言う
皆が幕府を倒し新しい政府を 新しい日本の国づくりをという時に
彼が見ていたのは 海の向こう
なんという大きさだろう
そして 海の向こうへという思いを暗殺という形で断ち切られた竜馬
さぞかし無念だったろうと思って読み進めていたが それはどうやら違う
この世に生を受けたのは何か事を成すためと思い生きていた彼には
途中で命を落とすことは 怖いことでも何でもなかったのかもしれない
むしろ 何もせず面白みのない平凡な日々を送ることの方が嫌だったのだろう
『面白き こともなき世をおもしろく 住みなすものは 心なりけり』
高杉晋作の残した言葉のとおり
自分の人生 心もち次第でおもしろくもなればつまらなくもなる
おもしろく生きるためにも ぜひ心の真ん中に“志”を