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ビッグ・ノーウェア
著者 ジェイムズ・エルロイ,二宮磬・訳
1950年、正月――共産主義の脅威に怯えるLA。異常殺人を追う若き保安官アップショー。アカ狩りで名声を狙う警部補コンシディーン、暗黒街の始末屋ミークス。策謀と欲望の迷宮で翻弄される三人の男たちは、暗い道の果てに何を見るのか? 傑作「LAコンフィデンシャル」前夜を描く<暗黒のLA四部作>第2作。
ビッグ・ノーウェア(上)
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紙の本ビッグ・ノーウェア 下
2002/07/28 16:00
うう、過ごすぎる!!!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:marikun - この投稿者のレビュー一覧を見る
既読のエルロイ作品の中ではベスト!
ハードボイルド好きの人には絶対に絶対にお勧めです!!!
この作品でエルロイは一皮むけた気がします!
上巻でストーリーのおおまかな展開の説明が終わり、
いよいよ下巻では本格的に事件が展開していくのですが、
例によって事件よりは、人物に焦点が当てられた形で
物語は進みます。しかし今回は、その展開がどんぴしゃりと
はまって大成功!読了後に深い余韻が残ります。
連続殺人の真相に迫るうちに、自らの性癖に気付いて悩む
若くて才能のある郡保安官のアップショー。
妻から離婚の申し立てをされ、子供を手元に残すためには
どうしても今回の事件で名をあげ昇進したいコンシディーン。
そしてマフィアの情婦と命をかけた恋愛に溺れるミークス。
三者三様の理由ながら、3人とも命をかけて事件の解決に
望みをかけます。そしてその事件の解決は…。
とにかくラストが良いのです!
(説明にはなっていないのですが(^^;))
前作「ブラック・ダリア」で、心の中にわだかまっていた
もろもろを消化できて、作家として成長したと言う見方は
うがち過ぎでしょうか?
解説は法月綸太郎氏。やはり、するどい解説なのです。
紙の本ビッグ・ノーウェア 上
2002/06/08 17:47
エルロイの<暗黒のLA四部作>
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:宇羅道彦 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ユダヤ人をスラムから救い出すことはできても、
やつらの体内からスラムを締め出すことはできんのさ。
「THE・BIG NOWHERE」James Ellroy
エルロイの<暗黒のLA四部作>のなかの「ビッグ・ノーウェア」の一節。
ユダヤ人を、被差別部落、在日、風俗、極道、などなどに置き換えると、
一気にリアリティを持った表現になる。
差別する側の論理を見事にひと言で述べた一節である。
今世紀(20C)最高の犯罪小説と謳われる作品だが、
それは単に血まみれのグロテクスな悪党を扱っているからではない。
ありのままの、もうひとつの米国を描くその力は、
思いもほか透徹した視点に支えられているのだ。
紙の本ビッグ・ノーウェア 上
2002/07/28 15:59
登場人物が多い…
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:marikun - この投稿者のレビュー一覧を見る
ようやく「暗黒のLA四部作」2作目!
例によってなのですが、登場人物が多い!
エルロイ作品を、読み続けていると
わりと馴染みやすいのですが、いきなり読むと、
まず人間関係の把握に苦労するかも知れません。
今回はレッドパージが吹き荒れるハリウッドを舞台にして、
「赤狩り」潜入捜査と、連続異常殺人事件が並行して進みます。
上巻では、メインとなる3人の警官たちの状況の説明が主です。
それにエルロイ作品ではお馴染みの、伝説的な刑事「ダドリー・
スミス」や、政治的野心溢れる「エリス・ロウ」などがわきを
固め、そこに映画業界&労働組合&ギャングたちの、それぞれの
思惑がからみ合い…と言った感じで、ストーリーは進みます。
アメリカの警察機構が良く分からないのですが、保安官事務所、
市警、検事局などの、権力争い的な側面もあるので、ちょっと
予備知識があった方が、スムーズに理解出来ると思います。
上巻では、連続殺人の手がかりをようやくつかみ、いよいよ
潜入捜査が始まると言う所で、話が終わるので、下巻の展開が
楽しみなのです♪