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ボーイミーツガールの極端なもの
著者 山崎ナオコーラ
恋愛未経験のおばあさんが喫茶店の店主に出会い、管理栄養士を目指す大学生は野球選手との結婚に憧れ、子育てを終えた中年の女性がファッションデザイナーと巡り合う。引きこもりニートは松田聖子に恋慕し、その弟は誰に対しても自分から「さようなら」を切り出せず、兄弟の父親は妻と再会する。人と接するのが苦手な少女は思いがけず人気アイドルになって、アイドルの付き人は嫉妬に苦しみ、三流俳優は枕を濡らす。植物屋の店主は今日も時間を忘れてサボテン愛に耽る。年齢も性別も境遇も異なる男女が出会い、恋をし、時には別れを経験する。「絶対的な恋なんてない」不格好でも歪でもいい、人それぞれの恋愛の方法を肯定する連作小説集。人気多肉植物店・叢-Qusamura-の店主・小田康平が植物監修を務める。
ボーイミーツガールの極端なもの
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2015/07/17 15:15
年齢や性別を問わず誰でも楽しめる一冊です。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:もも~ちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
一話ずつスポットライトが当たる人が変わりますが、実は皆繋がっていて時間も少しずつ経過して無理なく物語に引き込まれます。 そして一話終わるごとに主役となった人物に似合うサボテンの解説も付いてます。 サボテンをキイワードに織り成すドラマとして、とてもよく構造が練られているので、とても読みやすいです。
ボーイミーツガールの極端なもの
2018/11/09 09:13
ぎこちない恋愛小説。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る
山崎ナオコーラさんは二冊目の読了です。
何回か芥川賞候補になっていて、受賞を期待されている方です。
最近の芥川賞が新人に大きく舵をきったので、
どうなるのか分かりませんが、大きな文学賞を取らずに
ヒット作が出るようになればそれはそれで面白いですね。
一冊目は「昼田とハッコウ」を読みました。
この作品にも共通する雰囲気の人物像がいました。
作者の関心が高い部分なのでしょう。
ふわっと読めますので、お試しをするのにいい作品です。
全九話の連作短篇です。三つの設定があります。
それぞれの設定を用い、登場人物の視点を変えて
三通り書かれていますので、三×三=九話です。
気に入った目次を抜き書きしますね。
それで、どんな設定なのか分かりますので。
第一話 処女のおばあさん
第四話 恋人は松田聖子
第七話 付き添いがいないとテレビに出られないアイドル
1~3、4~6、7~9が同じ設定なので、
上の三話が各設定の冒頭話です。
題名にどきっとしませんか。読んでみると、そんなことも
あるかもしれないと思わせる落ち着きがあります。
全般的に文章が柔らかくて、あまり煽らないところが特徴です。
読ませる力が控えめなぶん、じんわりと心のすき間に
入ってくる感じです。
二冊読んで気になった人物像は、無意識に注目を浴びる人です。
容姿に恵まれていて、幼いころから周りが近寄ってくることを
自然に受け入れて育った人。
来る者を拒まずとは聞こえがいいのですが、依存心の強さの
現れだとすると周りを不幸にしてしまいます。それも無自覚で。
山崎ナオコーラさんは、王子さまやお姫さまタイプに
強いコンプレックスを持っているような気がします。
でも、一つの真実を見せてくれている気もします。
この作品ではサボテンがキーワードになっています。
各話とも特別な形のサボテンになぞらえています。
そんな、ちょっと不格好で、小さな棘もあるほのかな
オンナゴコロを描いた作品だと思います。
男が主人公の話もありますが、わたしから見れば女目線でした。