〈刀と傘〉シリーズ
著者 伊吹亜門(著)
慶応三年、新政府と旧幕府の対立に揺れる幕末の京都で、若き尾張藩士・鹿野師光は一人の男と邂逅する。名は江藤新平――後に初代司法卿となり、近代日本の司法制度の礎を築く人物である。二人の前には、時代の転換点ゆえに起きる事件が次々に待ち受ける。維新志士の怪死、密室状況で発見される刺殺体、処刑直前に毒殺された囚人――動乱の陰で生まれた不可解な謎から、論理の糸は名もなき人々の悲哀を手繰り寄せる。破格の評価をもって迎えられた第12回ミステリーズ!新人賞受賞作を含む、連作時代本格推理。第19回本格ミステリ大賞受賞。/【目次】佐賀から来た男/弾正台切腹事件/監獄舎の殺人/桜/そして、佐賀の乱/解説=末國善己
刀と傘
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刀と傘
2023/05/01 00:21
歴史小説+ミステリ
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投稿者:たけとり - この投稿者のレビュー一覧を見る
単行本を読んで面白かったので、文庫で購入。
鹿野師光(架空のキャラ)と江藤新平(実在)の出会いと友情、別れを描いたバディ的なミステリもの。どちらかが探偵役…というわけでもないけれど(あえていうなら江藤かなぁ)、時代の荒波と、元々強引だったけどさらに強引なやり方になっていく「彼」との決別、という時代小説的な面と、各事件の「何故」を紐解いていくミステリが入念に絡み合っていて凄い。解説で、各話の登場人物の元ネタとなった歴史上の人物を紹介してくれているのも良い。オススメ。
刀と傘
2024/04/20 10:55
捻りの効いたバディもの
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投稿者:K.ザムザ - この投稿者のレビュー一覧を見る
その時代ならではの動機や真相が判明した後のもう一撃が魅力的な連作短編集。最終話「そして、佐賀の乱」の結末の寂しさと余韻が素晴らしい。佐賀の乱へいたる史実の隙間の架空エピソードとして納得感と意外性を両立していて秀逸。
刀と傘
2024/02/21 15:30
おすすめしやすい作品
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投稿者:栄本勇人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
連作短編集としてきれいで読みやすく、多くの人にお勧めできる作品。おすすめしやすい分、熱量は控えめなので次作はパワーあふれる作品が読みたい。
刀と傘
2024/01/16 19:27
刀と傘
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投稿者:ミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
普段読まない時代劇もの。
本格ミステリ大賞2019年度受賞や最近のランキングに取り上げられていたので手に取りました。
幕末~明治初頭を舞台とした連作短編小説。実在する江藤新平と本書架空の鹿野師光のコンビによる推理帖です。
最初の1編は『佐賀から来た男』。この2人の出会いの物語。
60ページほどの物語の中、半分までは慣れない時代・歴史もの小説に苦戦の読書。読んでいて失敗したかなと思ったのが正直な感想でした。人物や時代背景が頭に入らない。が、ミステリとして滅多切りの遺体についての謎や真相が明かされるやこの時代にマッチした物語で素直に驚き納得しました。あれ、この本面白いぞと認識を改めた一幕でした。
先に伝えると読後の結果としては歴史・時代小説に詳しくなくても楽しめる一冊でした。登場人物色々いますが、江藤新平と鹿野師光の物語。この2人だけ抑えて置けば問題ないです。時代背景を知っているならより情景が浮かび楽しめるのかも。知らない自分でも楽しめたので苦手意識なくても大丈夫かと思います。