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言語の七番目の機能
1980年、記号学者・哲学者のロラン・バルトが交通事故で死亡。事故は当時の大統領候補ミッテランとの会食の直後だった。そして彼の手許からは持っていたはずの文書が消えていた。これは事故ではない! 誰がバルトを殺したのか? 捜査にあたるのは、ジャック・バイヤール警視と若き記号学者シモン・エルゾグ。この二人以外の主要登場人物は、ほぼすべてが実在の人物。フーコー、デリダ、エーコ、クリステヴァ、ソレルス、アルチュセール、サール、ドゥルーズ、ガタリ、ギベール、ミッテラン、ジスカール・デスタン、ラング……綺羅星のごとき人々。そして舞台はパリから、ボローニャ、イサカ、ヴェネツィア、ナポリへと……。「言語の七番目の機能」とはいったい何か? そして秘密組織〈ロゴス・クラブ〉とは? 『HHhH――プラハ、1942年』の著者による、驚愕の記号学的ミステリ。アンテラリエ賞・Fnac小説大賞受賞作。
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言語の七番目の機能
2021/07/29 22:39
悪ふざけか真面目なのか
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ichikawan - この投稿者のレビュー一覧を見る
『HHhH』は歴史をめぐる生真面目ともいえるほどの真摯な小説であったが、ロラン・バルトをめぐるこの歴史改変小説は悪ふざけとさえ言いたくなるほどのスラップスティック的作品となっている。ここに作者の悪意を見るか、真摯さをみるかは様々であろうが、作者のあの時代のアカデミズムと政治への複雑な感情がそうさせたのだろう。