電子書籍
双頭のバビロン
著者 皆川博子
爛熟と頽廃の世紀末ウィーン。ある秘密のため引き離されて育てられた、オーストリア貴族の血を引く双子――ゲオルクとユリアン。ゲオルクは名家の跡取りとして陸軍学校へ行くが、決闘騒ぎを起こし放逐されたあげく、新大陸に渡って映画制作に携わる。出生自体を否定された片割れのユリアンは、ボヘミアにある廃城〈芸術家の家〉で、謎めいた少年ツヴェンゲルと共に高度な教育を受けて育つ。双子はそれぞれ全く異なる道を歩むかに見えたが……現代文学の最高峰を極めた名手が魔術的筆致で描く傑作ミステリ。
双頭のバビロン 上
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電子書籍双頭のバビロン 上
2020/09/10 11:46
ごてごてと重なり合って
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
悪い意味ではなく ごてごてと何層にも重なり合ったエピソードが 混ざり合うことはなく進んでゆく話。並の作家が書いたら単なるもつれた話にしか過ぎないところを、魔術的な筆力でちゃんとした作品に仕上げている。
作者は90歳を越える現役最長老の小説家であるが毎年のように新作を発表されている。作者ご本人が魔女的な力を持っているのかもしれない。
電子書籍双頭のバビロン 下
2017/02/04 08:39
めくるめく展開
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者皆川博子は幻想的には虚構展開の道具として演劇を使っている作品がある。
この作品では演劇の代わりに映画が道具のひとつになっている。
幻想味はやや薄れているがよりリアルさが増している。
双生児、映画、ハリウッド.ウィーン.上海と多彩な道具 舞台を使いこなしためくるめく展開は相変わらずの作者の独壇場。どっぷりと漬かりこんだ。
紙の本双頭のバビロン 上
2016/11/07 12:35
双頭のバビロン 上
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投稿者:によ - この投稿者のレビュー一覧を見る
皆川さんはやっぱりすごい!!
私がどこにいても、普段読書ができない環境であるテレビの音の中やベッドの上でさえも、その物語の中に引き込んでしまう。
1920年代のハリウッド、1900年前後のウイーンそしてボヘミア…
皆川女史の幻想的な歴史ミステリに溺れていく!
さぁ下巻へ。
紙の本双頭のバビロン 下
2016/11/07 12:34
双頭のバビロン 下
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投稿者:によ - この投稿者のレビュー一覧を見る
うぉぉ…
ラストのユリアンの独白(でも、太字になっているのだからきっと、ゲオルクの自動書記が成功したものなんだろう…と思いたい。)で、一気に涙腺が緩んでしまった。
アヘンに侵される上海で、
増えていく謎…、
転がるように変化していく状況…、
そして、ユリアンとツヴェンゲルはどうなってしまうのか…。
ひとときも目を離せない下巻!
そしてこのラスト…。
またしても皆川女史に圧倒され、飲み込まれ、酔わされた。
あぁ、思う存分「双頭のバビロン」の世界に溺れました。