- みんなの評価
1件
動きすぎてはいけない
著者 千葉雅也
全生活をインターネットが覆い、我々は窒息しかけている――接続過剰の世界に風穴を開ける「切断の哲学」。異例の哲学書ベストセラー!*千葉=ドゥルーズ思想読解の手引きを付す
動きすぎてはいけない
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
動きすぎてはいけない ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学
2020/05/17 11:44
とっても難解なですが、キーワード「非意味的切断」ということをしっかりと把握して読めば、分かります!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、ジル・ドゥルーズの哲学を大胆にも読み替え、「切断の哲学」を提示した画期的な一冊で、人間の弱さや「有限性」をこそ思考する、世界的に特異な「生成変化論」の書です。とっても内容が難しく、なかなか読むのに一苦労ですが、同書におけるキーワードは「非意味的切断」です。この用語をしっかりと把握すれば、何とか読み進められます。では、この「非意味的切断」とは何でしょうか?著者は、同書の中で「すぐれて非意味的切断と呼ばれるべきは、<真に知と呼ぶに値する>訣別ではなく、むしろ、中毒や愚かさ、失認や疲労、そして障害といった><有限性>のために、あちこちを乱走している切断である。特異な有限性のために偶発する非意味的切断は、><すぐれてクリティカルな体験>に劣らず、何らかの<本能>や<共同幻想>とされるものを、ズタズタに破砕する」と述べています。つまり、「非意味的切断」とは、意図してなにかを切るという行為のことではなく、なんらかの行為や出来事の予期せぬ結果として、あるいは各人の能力の限界によって、意図せずなにかが切れるという事態のことであるらしいのです。ここまでだけでも一苦労ですが、ぜひ、同書を最後までゆっくりとお読みください。