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闘争領域の拡大
著者 ミシェル・ウエルベック,中村佳子
自由の名の下に、人々が闘争を繰り広げていく現代社会。愛を得られぬ若者二人が出口のない欲望の迷路に陥っていく。現実と欲望の間で引き裂かれる人間の矛盾を真正面から描く著者の小説第一作。
闘争領域の拡大
05/02まで通常968円
税込 678 円 6ptワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
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紙の本闘争領域の拡大
2020/05/18 11:56
フランスの小説家ウエルベック氏の世界が堪能できる一冊です!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、フランスの小説家であり、詩人であるウエルベック氏の作品です。内容を少し紹介すると、主人公はソフトウェア会社に勤務する30歳の「僕」となっています。期せずして地方出張を命じれ、同僚のティスランが、恋愛に対して苦闘を繰り広げる様子を観察者の立場から眺める「僕」は眺めています。そして、「僕」はその社会の仕組みを分析するたびに厭世的になり、不幸を生み出す社会に絶望し、鬱になり、最終的には会社を辞めてしまいます。「僕」は、「完全に自由な経済システムになると、何割かの人間は大きな富を蓄積し、何割かの人間は失業と貧困から抜け出せない。完全に自由なセックスシステムになると、何割かの人間は変化に富んだ刺激的な性生活を送り、何割かの人間はマスターベーションと孤独だけの毎日を送る。経済の自由化とは、すなわち闘争領域が拡大することである。それはあらゆる世代、あらゆる社会へと拡大していく。同様に、セックスの自由化とは、すなわちその闘争領域が拡大することである」という結論を導くに及びました。物語の終盤で、「僕」はダンスパーティーで、同僚ティスランにある企てを暴露します。それは、性の闘争領域で「勝利」した素晴らしいカップルをステーキナイフで殺害するという計画でした。彼らは、二人のカップルの後を追い、浜辺に行き着きます。そして、ティスランに性行為中の2人に襲いかかるように催促しました。しかし、彼は計画を実行することはできませんでした。それどころか、美しい体に魅了され「マスをかき」、主人公と最後の会話をするのです。彼はその夜パリへ向かう途中自動車事故で死亡します。何という物語でしょう!これこそウエルベック氏の真骨頂なのです!ぜひ、ウエルベック氏の世界をお楽しみください。
紙の本闘争領域の拡大
2018/06/22 04:50
これは読めた
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Z - この投稿者のレビュー一覧を見る
『素粒子』が合わなくて、この著者はダメかもしれないと思ったけど、本書は面白く読めた。
紙の本闘争領域の拡大
2018/05/03 08:33
バッター
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ただルールに従っていればいいという領域に満足できなくなったから闘争の領域に飛び込んだ、といううつ気味の主人公のフランス青年が社会一般を論じることで自分を守るバリアを張り、世界との関わりにおける苦痛を訴えている書。