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SCREEN新書
著者 民岡順朗 (著),荒島晃宏 (著),北島明弘 (著),増淵健 (著),秋本鉄次 (著),塩田時敏 (著),芝原幸三 (著),石森史郎 (著),渡辺祥子 (著),藤枝善之 (編著),飯田泰弘 (ほか共著),淀川長治 (著),筈見有弘 (著),清藤秀人 (著)
永遠のファッション・アイコンとしていまだ衰えない人気を誇るオードリー・ヘプバーン。その彼女のファッション面に焦点を当て、少女時代から第二次世界大戦を背景にした青春期、バレエのレッスンにはげんだ時期などを通して形成された彼女のファッション哲学を明かします。さらに、ジバンシーやラルフ・ローレンとの交流についても詳しく触れています。
永遠のファッション・アイコン オードリーに学ぶおしゃれ練習帳
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紙の本スクリーンに乾杯! 2 映画だけが我が人生(1940年代編)
2020/07/24 18:36
観る喜び
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
古き良き時代を彷彿とさせる、名作ばかりです。今でもリバイバル上映されている映画もありますので、劇場で体感したいと思います。
2009/01/29 08:26
キャサリン・ロスは出てこないけど
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ねえねえ、おにいさ~ん。 (えっ、オレ?オレってもうオジサンなんだけどな)
若くて、可愛い子、好きでしょ? (まあ、嫌いじゃないけど)
いいお店があるんだけどな~ぁ。 (マジ? ホント?)
甘い誘惑嫌いでもないし、表の看板みたら、「女優」。 (おーぉ、雰囲気でてるじゃない)
店内にはいれば、それっぽく照明は暗く、その闇の中で蠢く影。 (いいんじゃあない)
でも、なんだかおかしい。これって、もしかしてシワ? 煙草の火の向こうに浮かぶのは、・・・ギャーーーァ。
こういうのを「看板に偽りあり」という。
映画評論家秋本鉄次氏のこの本も、はっきり言って「看板に偽りあり」である。
だって「映画は“女優”で見る!」といわれたら、誰だって、オードリー・ヘップバーンだとかキャサリン・ロス(これは私の好みですが)とか出てくると思うじゃない。
それこそ女優史に残る名女優がゴマンといるだろうに、この本にはその片鱗さえも登場しないのだから。
登場するのは「パツキン」(これ、金髪っていうことですよ)女優に肉体派女優ばかり。もう完全に秋本氏の独断と偏見の女優群のオンパレード。
しかも、「こう見えても、ボクは英文学科出身で、昔はブンガクだって紐解いていたんだぞ。まあ、オネーちゃんの紐を解くのも好きだったけど。ぶわはっは」みたいな軽佻浮薄言語が飛び交い、秋本氏の芸風満載なのである。
騙された、金返せ、といいたいところだが、もうメチャクチャハチャメチャに面白くて、読んだあとは完全爽快。満腹快便。空中遊泳。
そりゃあ、オードリーよりシャロン・ストーンだよな。「氷の微笑」を何度スロー再生したことか。
自身の深奥にある本能を目覚めさせてくれる一冊であることは間違いない。
「映画って貴方にとって何ですか?とはよく聞かれる質問だが、それは“刺激”です、と答えている。“女優”は最も美しい“刺激”なのである」と「あとがき・・・のようなもの」に書かれているが、「刺激的な女優愛」に満ちた、この本は快作というしかない。
キャサリン・ロスは出てこないけど、アンジェリーナ・ジョリーが出てくるから、許しちゃう、ゴキゲンな一冊なのである。
◆この書評のこぼれ話はblog「ほん☆たす」で。
2009/01/12 11:43
いやぁ、家族って本当にいいもんですね
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
たまたま読んだ本が想像以上に面白かったという経験はありませんか。
雑誌「スクリーン」でお馴染みの「近代映画社」が昨年創刊した「SCREEN新書」の一冊で、帯の「あるようでなかった、映画の新書です。」にひかれて手にしたのが、この本だった。「映画の新書」ということに興味をもっただけで、すでに刊行されているいくつかのラインナップのどれでもよかった。
しかもどちらかといえば、親と子と映画といったテーマにも魅力を感じなかったのだが、この本は期待以上に面白かったというか、読むのがとまらなくなった。
著者の永千絵さんは、「息子ふたり、ダンナひとり、猫と同居中」の映画エッセイスト。そして、あの永六輔さんの長女。
だから、息子さんのお弁当に悪戦苦闘するごく普通の主婦のようでもあるし、父親六輔さんの薫陶を受けた独特な世界観(そして、それはすごくノーマルな考え方でもある)をもった女性でもある。
しかも学生の頃から学校の行事よりも映画が好きで、「同じ映画は何度観ても泣けるという特技」があって、「映画が始まって5分で泣いた」(一体どんな映画だったのだろう)という記録まで持っている、映画が大好き女性なのである。
そんな著者が書いたこの本は、映画評論ではなく「映画エッセイ」という体裁で、映画にまつわる家族の思い出や親と子の微妙な関係が、まるで良質のホームドラマを見ているように綴られている。
特に、2002年に亡くなった母親との最後の日々を綴った「観に行くのがあたりまえだった『若草物語』」や、母親の死を契機にした死生観を書いた「生と死について考えさせてくれた『アザーズ』」などは、母親とたびたび映画館に足を運んだ長女(著者)なりの、肉親への訣別の仕方が描かれて、深く考えさせられる。
冷酷だと思える心の割切りをする一方で、「母が死んで、年寄りを見る目が変わった。頑固だったり傲慢だったりする年寄りもたくさんいるけれど、母が重ねていくことのできなかった年を経てきた彼らが羨ましい」(55頁)と書く著者の目は涙に濡れながらも、澄んでいる。
もし、映画評論家水野晴郎(2008年6月死去)さんが生きておられたら、こうおっしゃるにちがいない。
「いやぁ、家族って本当にいいもんですね」
◆この書評のこぼれ話はblog「ほん☆たす」で。