- みんなの評価
1件
【期間限定価格】中国怪奇物語<妖怪編>
著者 駒田信二 (著)
女の姿が描かれた人間の皮……青い顔、鋸の歯の妖怪がその皮をすっぽりとかぶると、たちまち女に変った。彼がその肌になれ親しんできたあの女に――。ぶきみな化け物が怪異を現じ、什器が、草木が、けものたちが、姿を変じて人をたぶらかす。超常識のあやしい魅力をたたえた、身の毛もよだつ妖怪物語、67篇。
中国怪奇物語<妖怪編>
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
2021/05/17 04:00
神秘的な小話がたくさん!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:朝4時 - この投稿者のレビュー一覧を見る
悪いことをしたら悪い結果になるのだよというようなその話になにか教えがあるような説教くさい物語ではなく、こんな奇妙なことがあったのだよ、意味が分からないけどね、というような素朴なものが集められていて、人のプリミティブな恐れや美しさへの畏怖を感じた。そして、人がどう思ってどう動こうが自然や神的なものはそんなことで左右されないというような神秘的な感覚を覚えた。
また、いろんな動物が人の姿に化けるのだなぁと思った。
そして、随所に散りばめられた「晨をつくる」とか「雲雨の情を交わす」というような言葉を普段目にしないので中国的な高尚さを感じたし、趣があった。
「鬼弾」に関して、川に毒があって11月と12月は渡れるけれどもそれ以外の10ヶ月間は川を渡ることができない。無理に渡ると皮膚が裂けて10日も生きられないという話だが、筋膜炎を起こす細菌が川にいるということではないのかなと思った。実際に起こっている悪いことを妖怪と結び付けて危険を表現することに古の人の世界観が見えるような気がした。
世界観として思い出したが、男性が妻を持ちながらも結構浮気しているし奥さんもそれに関してさらりとドライだなぁと感じた。昔の中国はそんなノリだったのだろうか。