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7件
ナポレオン狂
著者 阿刀田高 (著)
自らナポレオンの生まれ変りと信じ切っている男、はたまたナポレオンの遺品を完璧にそろえたいコレクター。その両者を引き合わせた結果とは? ダール、スレッサーに匹敵する短篇小説の名手が、卓抜の切れ味を発揮した直木賞受賞の傑作集。第32回日本推理作家協会賞受賞の「来訪者」も収録する。
ナポレオン狂
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ナポレオン狂
2019/02/05 11:44
文章が巧み
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:すぱこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
緻密に設計された小説。
だらだら長い小説とは違い、読みやすいです。
考えながら読んでも、追いつけません!
2021/10/09 21:33
代表的短編集
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちーかま - この投稿者のレビュー一覧を見る
阿刀田作品といえばショートショート。その中でも特におもしろいのが今作。あと「冷蔵庫より愛を込めて」「食べられた男」なんかもおすすめ。あと願わくば「恐怖夜話」も電子化してくれ!
ナポレオン狂
2018/07/13 05:33
短編小説の味わいというよりミステリーかな
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
第81回直木賞受賞作(1979年)。
最近の直木賞受賞作はどれも長い。というより、切れにいい短編小説が少なくなったということもある。
新人の場合、短編の方が書きやすいと考えがちだが、むしろ長編小説でドラマチックな展開の方が描きやすいのかもしれない。
阿刀田高氏の受賞作は『ナポレオン狂』という短編集一冊が対象になっている。
この回同時受賞だった田中小実昌氏の場合、短編集から2篇が受賞対象だから、阿刀田氏のような受賞は珍しいかもしれない。
何しろこの短編集には13篇の短編が収録されているから、そのすべてが受賞に値するかといえば決してそんなことはない。
例えば選考委員の新田次郎氏は「作品集「ナポレオン狂」の中で、「ナポレオン狂」「来訪者」「ゴルフ事始め」「縄」の四作を勝れた作品」と選んで、選評しているが、それが正しいような気がする。
さらに新田委員は「一言半句も無駄のない、よく計算された筋運びの中で、現代社会を風刺」と絶賛に近い選評を寄せているが、一方で村上元三委員は「ガラス細工のような脆さもおぼえる」としているが、この受賞から40年近く経ってみると、阿刀田氏は脆くもなく、骨太な作家になったといえる。
さて、この13篇から私が選ぶとすれば、やはり表題作の「ナポレオン狂」だ。
なんとも薬味の効いた作品で、ラストには思わずゾクッとさせられる。ブラックユーモアyというよりもミステリー仕立ての短編といっていい。
ただこういう短編も今ではなかなか読まれていないのでは。
直木賞受賞作として触れてみるのもいいような気がする。