電子書籍
兵隊宿
著者 竹西寛子 (著)
乗船直前、自分の家に泊った3人の出征将校の姿に、未知の大人たちの世界を知り微妙に変わる少年の心の襞。川端康成文学賞受賞「兵隊宿」と、「少年の島」「流線的」「緋鯉」「虚無僧」ほか共通の主人公による9つの短篇群。『往還の記』『式子内親王・永福門院』等、日本の古典を材に優れた評論を持つ著者の『儀式』『鶴』に続く代表的名篇。
兵隊宿
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電子書籍兵隊宿
2019/01/28 15:23
おだやかな主人公の少年にほっとする
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
前に読んだ本が、登場人物全員が「なんだか嫌なやつ」だったグロテスクだっただけに、この短編群の共通の主人公、ひさし少年の、優等生な、おだやかな、正直な姿にほっとしている。舞台は瀬戸内の街(作者はあとがきで舞台は広島だと書いている)で、主人公の年代はが小学校の低学年から中学校にかけて、時期は日中戦争開戦前から太平洋戦争開戦後まもなまでの話である。作者はあとがきで、広島ということを書くことが知らないうちに意識から消えていたと書いている。広島と書いてしまうと、どうしても原爆のことを想像してしまうので、ひさしの何年後かのことを考えながら読むことになってしまったかも知れないので、これは広島から離れてしまってよかった気がした