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プールの底に眠る
著者 白河三兎 (著)
夏の終わり、僕は裏山で「セミ」に出逢った。木の上で首にロープを巻き、自殺しようとしていた少女。彼女は、それでもとても美しかった。陽炎のように儚い1週間の中で、僕は彼女に恋をする。あれから13年……。僕は彼女の思い出をたどっている。「殺人」の罪を背負い、留置場の中で――。誰もが持つ、切なくも愛おしい記憶が鮮やかに蘇る。(講談社文庫)
プールの底に眠る
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紙の本プールの底に眠る
2015/11/20 03:03
シルヴァスタインの欠片
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タンポポ旦那 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「私を知らないで」からの読者として、後ろめたさはあるが、素直でストレートに心に届く作品と思う。著者のキャラクター設定と構成の妙にも改めて感心させられた。
読み進めるうち、何か馴染みある感覚が離れなかったが、そう、これはシルヴァスタインの「僕を探しに」ではないかと…。
“イルカ”も“セミ”も、自らを律し、束縛することで、失くした【カケラ】を埋めているようで、実際は得られない、或いは得てはいけないと納得させつつ、【カケラ】を求め続けずにはいられない…。
「私を知らないで」では痛々しさが際立っただけに、本作のラストに著された、生きる力強さと、希望の響きが心地よかった。
電子書籍プールの底に眠る
2016/04/05 04:45
前半はよかった
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しん - この投稿者のレビュー一覧を見る
滑り出しは快調。イルカのイメージがすんなりと入ってきて、主人公二人の出会い方も自然。情景描写も的確で、立体化しやすい。でも、最後の方になって、一気にイメージが崩れてしまった。だから一体どういう事だったの?という腑に落ちない気持ちと、独り言的な内省が多すぎて、情景や物語の流れがわからなくなってしまった。