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3件
核兵器のしくみ
著者 山田克哉
原爆から原発までゼロからわかる決定版! 原爆、水爆、中性子爆弾……人類を消滅し尽くす超巨大エネルギーはどのように生れるのか? 核分裂・核融合の原理から放射能の怖さまで、現代人が知っておくべき核の知識を初歩から徹底解説! (講談社現代新書)
核兵器のしくみ
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核兵器のしくみ
2004/03/03 21:18
タイトルはこわいけど
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かね - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本のタイトルをみたときは、何か戦争マニアとかそういった類の本かなー
って思いました。
でも、気になったので買って読んでみると、タイトルから受けた印象とは全然
違う内容でびっくりしました! 本当にためになります。
もちろん、タイトルの通り、核兵器のしくみについて詳しく書かれていますが、
それ以外にも、「星がなぜ輝いているのか?」とか、「原子力発電のしくみ
とは?」とか、そういったことにも言及しています。これらは全て同じ仕組み
なんですよ。
また、ノーベル物理学賞を取った小柴博士が観測している「ニュートリノ」、って
何か分かります? これも、この本を読めば分かりますよ。
著者は核兵器のしくみに詳しいですが、平和主義者です。これは、この本を読めば
分かります。
原子力発電建設の問題についても少し言及されております。賛成、反対のどちら
とも言われてませんが、でも、反対するにしても、原子力発電のしくみを
きちんと知ってから、反対すべきだということは主張されております。
たしかに、今、マスコミや風評だけで、善悪を判断することが多い世の中に
なっていますが、この本を読んで、改めて、モノの本質を見極めた上で良し悪しを
決めないといけないなーって思いました。
核兵器のしくみ
2006/08/20 01:33
原子力問題を論じる前に読んで欲しい。
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kokusuda - この投稿者のレビュー一覧を見る
先日、駅前で核兵器廃絶を呼びかけるビラを配っていた若者と出会いました。
彼に話を聞いてみると、あまりに核兵器についての知識が乏しく
認識も曖昧なことに驚きました。
「原爆は一瞬にして無数の人々を殺戮する悪魔の兵器。
唯一の被爆国である日本が核兵器廃絶を訴えねば!」
本書やSF小説を勧めておきましたが、、、。
著者の山田氏は理論物理学者です。
数々の原子力発電所の事故から核知識の必要性を感じ、本書を執筆したようです。
しかし、題名は「核兵器のしくみ」。
実は原爆(熱核爆弾)と原発の基本原理は同一です。
また基本技術の多くを共有しています。
その辺りの事情を解説してくれるのが本書です。
前出の若者の言葉を厳密に訂正すると、原爆は爆発時に多くの人々の命を
奪うだけでなく何代にもわたって影響を与える「死の灰」や残留放射能を作り出し、
環境まで影響を与え全ての生命に害を及ぼすために「悪魔の兵器」と呼ばれています。
一瞬に多くの人々を殺傷する兵器は大量破壊兵器として
別の分類の方法で使われています。
国際法では正式に認定されていませんが、劣化ウラン弾や放射能化学兵器など
原爆以外にも核兵器は存在します。
核兵器による被爆国も実験などを含めると日本以外にも数多くの国が存在します。
全ての原発は核兵器に流用できる可能性を持ちますし、原子力に代わる
エネルギー源も確定していません。
彼が主張する核廃絶(原爆の完全廃棄)だけで核兵器全体の脅威は
無くならないでしょうねぇ、、、。
本書は理論物理学の観点から核問題全般を解説しています。
しかし「核の抑止力」や「核開発」などの倫理的、政治的、社会的な問題に
関して触れていない点も多くあります。
ですから、本書を読んだだけで核問題の全ての面を論じるわけにはいきません。
けれども核問題の第一歩、理論的な理解、基本的な知識の獲得に
近付けるのではないでしょうか。
私の親類も長崎で直接、間接に原爆の被害を受けました。
(現在も受け続けていますが、、、)
全ての核エネルギーが平和のため、人々のため、安全に使われる時代が
来てほしいものです。
核兵器のしくみ
2021/09/15 19:41
右翼本ではありません
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る
原子の話から語り始めて核兵器だけでなく、原子力発電や核融合まで基本的なところを網羅している。分かりやすい説明で時に「べらぼうに」といった定性的表現で煩雑な説明をはしょっているので、書いている本人は不満かもしれない。他の自著を読めということらしいが、とにかくおさらいの意味でもそれでも勉強にはなる。原発反対を言うならこの本などで少し勉強してから言った方が説得力を増すだろう。しかし出版年代が少し前なので、高速増殖炉とか懐かしい話題も出るし、震災前なので少し牧歌的なところもあるかも。