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3件
死に至る病
著者 セーレン・キェルケゴール , 鈴木祐丞
「死に至る病とは絶望のことである」。──この鮮烈な主張を打ち出した本書は、キェルケゴールの後期著作活動の集大成として燦然と輝いている。本書は、気鋭の研究者が最新の校訂版全集に基づいてデンマーク語原典から訳出するとともに、簡にして要を得た訳注を加えた、新時代の決定版と呼ぶにふさわしい新訳である。「死に至る病」としての「絶望」が「罪」に変質するさまを見据え、その治癒を目的にして書かれた教えと救いの書。
死に至る病
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2020/05/01 19:51
さすがの名訳
2人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆきき - この投稿者のレビュー一覧を見る
そもそも「絶望」とはなにか、どうしてそれが人間に致命的な痛みをもたらすのか。
キルケゴールの語ることばは、現代を生きる私たちの心に突き刺さります。
死に至る病
2020/02/29 14:29
キルケゴールの名著が邦訳版としてよみがえります!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、哲学者キルケゴールの主著であり、現代に残る名著とされる作品の邦訳版です。キルケゴールは「実存主義の祖」とも呼ばれ、同書の中で、死に至る病とは絶望のことである、という鮮烈な主張を打ち出して、「絶望」と「罪」の診断から「病」の治癒に至る道筋を鮮明に絵が行き出しています。絶望が深まる21世紀の世界にも彼の考え方は実に通じるものがります。ぜひ、この機会にキルケゴールの思想を学び直してみませんか!
死に至る病
2017/11/17 13:09
自己意識は絶望をともなう
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ポージー - この投稿者のレビュー一覧を見る
意識とは、たとえば目の前にあるリンゴを「見ている」とか救急車のサイレンを「聞く」いったこと。つまり自分でないものをとらえること。逆に言えば自分の外側にあるからこそ対象を意識できる。そしてまた意識がなにも感じていないときそこに意識があると言えるだろうか。だから意識は対象との関係である。
自己意識(人に備わった意識)とは、意識を意識しているということ。つまり犬も人も目の前のリンゴは見えるわけだが、人に特有なのは自分がリンゴを見ていることをわかっているという点。
意識が自分を意識するとは、自分に対して他者になることである。でも当然自分とは自分でもある。自己意識が必然的にともなうこの裂け目のために人は絶望する。絶望は増幅すると言われるのは、この裂け目を意識した途端自己はそれからも引き裂かれるから。