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霊魂や脳科学から解明する 人はなぜ「死ぬのが怖い」のか
著者 前野 隆司
ブッダ、ダーウィン、霊魂、クオリアと、宗教、進化論、心理学、哲学、脳科学まで分野横断で人類共通の悩み、怖さに迫る。すると見えてきたのは、すべてが幻想!? という最先端脳科学の衝撃の結論。しかし、そんな理屈だけでは「怖い」は克服できない。本書では、自殺や東洋思想、幸福学などをとおし、人が「死」をいきいきとした「生」へと還元する7つのルートを示す。新たな死生観が身につく現代日本人のための必読書。
霊魂や脳科学から解明する 人はなぜ「死ぬのが怖い」のか
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人はなぜ「死ぬのが怖い」のか 霊魂や脳科学から解明する
2017/12/09 08:38
自分は幻想か
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
脳神経科学を始め哲学、宗教学等の様々な視点から「死」を考察。
脳神経科学の最新知見では、「心」は脳が作り上げた幻想であり、「自分」も幻想。「死ぬのが怖い」という概念は自己という幻想に不随して作り出された幻想。そもそも人間は進化の過程で、過去と未来を考える力を身に付け、「死」について考え、恐れる能力を持ってしまったことで、死を恐れるようになったに過ぎないとのことでした。
結局、実感できるのは「今」だけであり、過去も未来も想像の産物に過ぎず、そんなことにクヨクヨせずに、「今」を精一杯生きようという結論でした。
ところで、私の義父は死の恐怖で、最期は発狂しました。一方、実父は末期癌でしたが、最期まで平静で、看護師さんや介護士さんを始め、周囲に朗らかに接し、全くジタバタしない死でした。同じ死であれば実父のようにありたいと思います。死に対する意識や覚悟について、実父にもっと聞けば良かったと後悔しています。
巷では、遺言や終活等々自分の始末に関する情報が溢れています。それはそれで重要ですが、義父や実父を見て、自分の死に対する覚悟が最も肝心なことだと思いました。本書は、ちょっと難しかったですが、死を考えるきっかけとなる本でした。