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5件
女官 明治宮中出仕の記
著者 山川三千子
明治天皇と昭憲皇太后に仕えた女官の手記。華族・久世家の長女、三千子の見聞は、宮中のしきたりや天皇皇后の実像を生々しく伝える。数十人にのぼる女官のさまざまな職名と仕事、天皇自らが名づけた源氏名とニックネーム。「雀」と呼ばれた三千子は、天皇皇后の睦まじい様子に触れ、女官たちに気安く声を掛けて写真をねだる皇太子(大正天皇)に戸惑う。さらに、「俗の言葉でいえばお妾さん」である権典侍と、皇后の関係とは――。
女官 明治宮中出仕の記
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女官 明治宮中出仕の記
2022/02/21 15:31
実際の見聞による貴重な記録
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:いて座O型 - この投稿者のレビュー一覧を見る
久世家に生まれ、権掌侍として明治宮中で働いていた著者による記憶に基づく一冊。
なにしろ当事者として天皇陛下以下皇宮内外の人と接しているので、抜群に面白い。
細かなしきたりのようなものも、それなりに面白いのだが、やはり宮中という閉鎖空間の中なので、人間関係が面倒なことになってたりすることに、妙に現実感が強くて興味深い。
大正天皇のちょっと難しいところや、史書などでは評価の高い貞明皇后が案外狭量だったりする話なども、当事者しか知り得ないことだけに、検証のしようもないが、真実味がある。
「お次」みたいに、関西だとちょっと昔までわりと民間でも残ってた風習が宮中でも行われてたとか、細かいことを言い出すと、何もかも面白かった。
女官 明治宮中出仕の記
2020/03/02 13:27
明治の皇室・宮中を知る第一級の史料です!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、明治42年に18歳という若くして明治天皇と昭憲皇太后に女官として仕えた華族であった久世家の長女、三千子の手記です。ここに書かれた内容は、宮中での天皇や皇后、さらには皇太子やその関係者の言動や振る舞いという、私たち庶民には全くうかがい知ることができない貴重な情報であり、同書は、明治宮中の様子を知る第一級の資料とされています。例えば、何十人にも上る女官の多様な職名と仕事、天皇自らが命名した源氏名とニックネームなどが明かされます。明治の皇室、宮中を知る貴重な一冊です!
2024/09/30 10:13
皇室を垣間れる貴重な一冊
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あー - この投稿者のレビュー一覧を見る
一般人にはとにかく神秘的で思いもよらない皇室の、特に明治帝のひとコマ。写真嫌いな明治天皇のお写真(小さくモノクロで時代を感じさせますが)を一枚だけですが拝見できたのも感激でしたが、当時の宮中のしきたりというか、天皇皇后両陛下のプライベートでのお過ごしのご様子、お人柄が垣間見れて良い伝記です。
山川さんの視点、私観なので実際には齟齬があるかも知らないでしょうが、重く厚いベールに覆われていた宮中の一辺に触れられる本書。個人的に宮中言葉が興味深かったです。