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2件
関東軍 在満陸軍の独走
著者 島田俊彦
日露戦争直後から太平洋戦争終結までの40年間、満州に駐屯し、日本の対中国政策の尖兵的役割を演じた関東軍。陸軍中央の統制に背いて独走し、軍事的衝突を策した彼らの行動は、日本の運命に重大な影響を及ぼした。張作霖爆殺事件や満州事変、ノモンハン事件等の歴史的大事件を中心に、膨大な史料に基づいて、関東軍の歴史と独走の実態を描き出す。(講談社学術文庫)
関東軍 在満陸軍の独走
05/29まで通常990円
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関東軍 在満陸軍の独走
2020/03/13 09:32
近代日本の対中政策の中心を握っていた関東軍の歴史を入念に追った作品です!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、近代日本史に大きな影響を与えたといわれる関東軍の満州における行動を丁寧に解説した画期的な歴史書です。日露戦争の終わりから太平洋戦争による敗戦までの約40年間の長きにわたって満州で対中国戦略の指揮をとってきた関東軍は、誰もが学校の歴史の授業で学び知っていますが、その関東軍が、実は、陸軍中央の統制にと向いて独走した事実まではあまり知られていません。同書では、その点を丁寧に掘り下げ、その後の対中政策に大きな影響を与えた張作霖爆殺事件、満州事変、ノモンハン事件などを取り上げながら、近代日本における関東軍の歴史を見ていきます。内容も、「第1章 生いたちと性格」、「第2章 張作霖爆死事件」、「第3章 満州の演出者たち」、「第4章 ノモンハンの敗北」、「第5章 70万軍隊の終焉」と非常に興味深いものとなっています。
関東軍 在満陸軍の独走
2006/01/01 19:23
全体像と各事件や事象の関連性を有機的に解明している本書は貴重な文献
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
関東軍の誕生から崩壊までの全容を、文庫本1冊で記述するのは、無理があるようだ。時系列的なつながりがわかるように書かれているが、粗筋だけなような印象をうける。関東軍がなぜ政府や軍中央の意向を無視して独走したのか、その根本的原因が歴史的経過と地政学的な観点から解明されているようだ。関東軍が自分のおかれた立場から局所的な観点でのみ行動し、世界政治の大局を考えなかったことが、日本を困難な立場に陥れ、最終的には無条件降伏による敗戦となった。満州と関東軍について研究することは、日本現代史の解明と反省に必要なことであろう。細部には目が行き届かないことがあっても、その全体像と各事件や事象の関連性を有機的に解明している本書は、貴重な文献といえるであろう