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不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか
著者 鴻上 尚史
太平洋戦争末期に実施された”特別攻撃隊”により、多くの若者が亡くなっていった。だが、「必ず死んでこい」という上官の命令に背き、9回の出撃から生還した特攻兵がいた。その特攻兵、佐々木友次氏に鴻上尚史氏がインタビュー。飛行機がただ好きだった男が、なぜ、絶対命令から免れ、命の尊厳を守りぬけたのか。命を消費する日本型組織から抜け出すには。
不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか
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不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか
2018/01/27 08:15
空気に立ち向かった英雄
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:そうしこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
小学生の時、山岡荘八氏の太平洋戦争(少年向き)を読んだことがあります。特攻を目を輝かせながら志願し、勇敢に死んでいく若者の姿に違和感を感じつつもひたすら感動しました。子供の頃とは言え、すっかり騙されておりました。
「永遠のゼロ」を引用するまでもなく、当時の日本海軍の上層部には憤りを感じざるを得ません。そして陸軍にも安全地帯で酒を喰らいながら、部下を死に追い込む連中が多数いました。本作に登場する富永恭次はその典型的な人物でしょう。
そんな空気に覆われた当時の世界に、美濃部正氏がいて、坂井三郎氏がいて、そして佐々木友次氏がいたことに、私は救いを覚えます。
こんな日本人が本当にいたんだ。
不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか
2019/02/11 03:39
特攻隊の虚構をいまも私たちは信じ続けていた
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:malay - この投稿者のレビュー一覧を見る
英霊と呼ぶかどうかは別として、国家のために命を捧げた特攻兵への特別な感情は、思想・信条が異なっても日本人なら誰もが持つものと思う
しかし、それこそが特攻隊の虚構であり、作戦が続けられた真の目的であった
現場では、艦船への攻撃としては非科学的でむしろマイナス(それまでに科学的な攻撃法をちゃんと訓練していた)であり、兵士の命と飛行機を無駄にする愚かな作戦であることを知っていた
これ以上はネタバレになるので書かないが、私たちが信じている特攻隊像というのは、未だに日本人にとり憑いている戦中の特攻プロパガンダの残骸で亡霊のようなものだ
その内容はとても重く、こういう表現は不謹慎かもしれないけれど、この本を読んでいるときに感じたのは「めちゃくちゃおもしろい」
目から鱗とはまさにこのこと
特攻とはいったい何だったのかという疑問に、「そうだったのか!」という筋が通った説明を、事実を元に教えてくれる良書
不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか
2018/05/23 22:30
こういうテーマが多くの人に読まれるのはいい
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
鴻上尚史の『不死身の特攻兵』は、よく売れているようです。
こういうテーマが多くの人に読まれるのはいい。
タイトルはちょっと安直ではないかなと思うのですが、「外道の統率」とも言われる特攻という愚行を、美化しないでわかりやすく書いています。
つまり読んでいくと悲しくなるし、腹立たしくもなる本です。
上意下達のしくみが世の中にはびこると、どんなひどいことになるか、ということを「特攻」は教えてくれています。
なのに、いまでも上意下達がなんと多いことか。ああ。

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