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説苑
「説苑(ぜいえん)」は、中国上代~前漢中期までの故事説話集。前漢の大儒・劉向(りゅうきょう)の編纂になり、皇帝の教育用の書として作られた。先行する書物をもとにして大幅に増補、内容別に整理して各編に序文が付けられている。編者は説話を通して自己の政治的主張を述べようとしたと考えられる。「君道」「臣術」「建本」「立節」「貴徳」「復恩」「善説」「権謀」「至公」「弁物」「修文」など全部で二〇篇からなり、一つ一つの説話は他書と一致するものが多く、諸子百家すべての系統の話が含まれている。そこで説かれている思想内容の基調をなすのは「尊賢論」と「節倹論」であるが、その根底には儒家思想が流れている。収録されている具体的な説話は「君子は争わず」「民に利あり」「陰徳あるものは陽報あり」「虻蜂とらず」「存亡禍福はみな身から出づ」「人の心は金次第」など、人口に膾炙したものも多く、普遍的な知としての有用性は現代人にも大いに役に立つものとなっている。
説苑
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説苑
2020/02/27 12:46
中国古代に編纂された故事説話集の内容は、現代の社会でも有用な「知」として通じます!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、中国の前漢時代に大儒と劉向によって編纂されたとされる古い故事説話集の邦訳版です。『説苑』は「ぜいえん」と読み、当時は皇帝の教育用図書として用いられたと言われています。同書には、基本的に儒教思想が根底に流れていますが、一般的な「知」として現代社会に通用するものも多数あります。同書は、20編から構成され、例えば、「第一篇 君道」では、君主のあり方について、「第二篇 臣術」では、臣下の責務について、「第三篇 建本」では、土台をしっかりすることの重要性、「第四篇 立節」では節操を重んじることの大切さ、といったようなことが詳細に説かれています。ぜひ、教養の一つとして中国の古代の故事説話を学んでみられては如何でしょうか。