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ハイブリッド戦争 ロシアの新しい国家戦略
著者 廣瀬 陽子
戦争は戦場だけではない!
いかに低コストで最大限のダメージを敵国に与えるか。執拗なサイバー攻撃、SNSを利用したプロパガンダ、暗躍する民間軍事会社――世界を脅かすプーチン流「現代戦」と日本の安全保障のリスクとは?
ウクライナ、シリアでの民間軍事会社の暗躍、米大統領選でのプロパガンダ工作、ジョージアとの情報戦、アフリカ発のロシア製フェイクニュース、そして東京五輪へのサイバー攻撃――、正規と非正規を組み合わせた21世紀型戦争の実態と、ロシアの外交・軍事戦略の全貌に迫る決定版!
ハイブリッド戦争 ロシアの新しい国家戦略
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2021/02/19 10:09
現代の戦争
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ニッキー - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦争と言えば、物理的破壊力を行使して相手を撃破することだと考えるし、国際法も遵守するひつようがある。しかし、国家として相手にダメージを与える手段は物理的有形力だけではない。サイバー攻撃やプロパガンダなど様々な手段が入り交じったハイブリッドなものとなっている。とくに、それらが得意なのは、技術力もあり民主的な政治倫理が欠如したロシアの得意分野である。本書は、その概要を明らかにしてくれる一冊である。
2022/07/28 13:40
教育
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:sas - この投稿者のレビュー一覧を見る
ハイブリッド戦争を平気で仕掛けることのできるロシアでは、子供たちにどういった教育を施しているのか?
ロシアが国連の常任理事国に居座っていること自体、世界の平和の安定に繋がらないことがあらためて分かった。
2023/12/06 07:38
ロシアの戦略の中身を分かりやすい文章で説明する1冊
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
ウクライナや、ジョージアでロシアが展開した新しい国際紛争の形態は”ハイブリッド戦争”と呼ばれ、従来の軍事一辺倒ではなく、政治工作による世論の操作や、インターネットを利用した情報操作、サイバー攻撃などを複合的に活用しています。ロシアが用いる”ハイブリッド戦争”とはどういうものか、ロシアの国家戦略と絡めて解説しています。
従来の戦争は国と国との間で宣戦布告から始まって開始されるのに対し、軍が動く前にサイバー攻撃で相手国のインフラ等に混乱を生じさせたり、フェイクニュースの流布で世論を有利に導いたり、どこからが戦争なのか明確でない形で戦争が開始されるようになっています。また、ロシアで顕著なのは民間軍事会社が活発に活動している点です。民間軍事会社は、最新式の装備をそろえ、訓練も行き届き、正規軍と変わらない能力を保持するまでになっており、ロシア軍として活動してはロシアの関与が明確になり、国際法上の問題となるような状況において、ロシア軍に代わって紛争地域に展開し、治安維持やロシアが支援するグループの将兵への訓練なども請け負っているとの事でした。
ロシア自体が民主主義国家ではないが故、肩入れする相手国の政治体制が非民主主義的であったり、独裁制に近く人権の扱いに問題がある政権であっても躊躇なく支援している実態を、多くの実例を挙げつつ解説しています。実例としてはトランプ大統領が大統領選に勝利した2016年のアメリカ大統領選挙や、ウクライナのクリミア併合、ジョージアでの武力介入、アフリカ諸国への接触など、かなり具体的に挙げられています。
中国やアメリカを扱った書籍が多い中、ロシアを扱った書籍はあまり多くないので、読んでみました。
新書1冊にしては情報量も多いですが、あえて1点だけ気になったのは、著者の文体に「~であるという。」が多用されている事です。ロシアだけに直接取材が出来なかったりという制約もあるのでしょうが、あまりに伝聞っぽい印象が強く、読んでいてちょっとすっきりしませんでした。