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4件
キツネ目 グリコ森永事件全真相
著者 岩瀬 達哉
147通にも及ぶ膨大な脅迫状、600点以上の遺留品、さらには目撃、尾行までされながら、ついに時効の彼方へと逃げ込んだ「グリコ森永事件」犯人グループ。
その中心人物、かつ司令塔となったのが、「キツネ目の男」だった。
グリコの江崎勝久社長を自宅から拉致して監禁、身代金を要求するという「実力行使」から、青酸入りの菓子と脅迫状の組み合わせによって裏取引し、企業からカネを奪おうとする「知能犯罪」、そしてメディアや世論を巻き込んだ劇場型のパフォーマンスまで、日本の犯罪史上に残る空前絶後の事件だ。
しかし、犯人グループは、その「痕跡」を消しきれていなかった。
当時、第一線で捜査にあたった刑事、捜査指揮した警察幹部、犯人グループと直接言葉を交わした被害者、脅迫状の的になった企業幹部など、徹底した取材で事件の真相をえぐり出す。
「少なくとも6人いた」という犯人グループの、役割分担、構成にまで迫る!
「キツネ目と仲間たち」の全貌が、闇の向こうから浮かび上がる――。
キツネ目 グリコ森永事件全真相
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2021/08/12 07:19
犯人を憎む気持ちが伝わる
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:チップ - この投稿者のレビュー一覧を見る
とぼけた文章で警察とマスコミを翻弄したグリコ森永事件の犯人
今でも話題になる未解決事件のノンフクション
10年前の連載を新たな視点を交えて上梓された
全編にながれる犯人に対する憎しみ
言語障害のある子どもの声の脅迫電話と女性のモンタージュが報道されていたら、どう経過が変わったのかが少し気になる。
キツネ目 グリコ森永事件全真相
2021/05/03 17:12
「全真相」というわりに・・・
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:暴れ熊 - この投稿者のレビュー一覧を見る
もう随分前に森下香枝さんの『真犯人』を読んでいたのだが、それと比べると迫力に欠け、「全真相」と銘打っているわりには、驚愕するような目新しいことも書かれていないというのが第一印象だった。筆者には申し訳ないけれど。一気読みしたが、これで1800円はチト高いな…と。
☆良かった点
・犯人の卑劣さを強調していたところ。この犯罪は何年経とうが時効になろうが、絶対に許されるべきではない。
・35歳ぐらいの女性のモンタージュがあったのに、世間に広く知られることがなかったという事実を書いていたこと。これが広く知られていれば、違った展開になったかもしれない。
・言語障害の子供を使ったテープがあったことは初耳だった。
・森永や西友など、卑劣な犯罪に絶対に屈しないと決意した企業のことを知ることができたこと。
・年表や地図があったこと。ただし、図版は『真犯人』にも多数あり、それと比べて目新しいものでもなかった。
★物足りなかった点
・文章がやや読みづらいと思った。
・犯人像に迫り切れていなかったこと。こういう本の場合、結局読者は、じゃあ犯人は誰なんだということを知りたいわけで、それがないというのは、ちょっとがっかりした。もちろん根拠なく「犯人は○○だ」と決めつけてもいけないのだけれども……。
・筆者は、犯人は裏取引に応じた企業から金をせしめたと書いているけれども、その企業がどこなのか書かれていなかったのは物足りなかった。(模倣犯に引っかかって金を払った企業のことは書かれていたが……)
キツネ目 グリコ森永事件全真相
2022/02/12 22:57
53年テープは?
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Eternal Kaoru - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルの「全真相」は言い過ぎ.犯人像にも迫っていない.なので過剰の期待は持たないで下さい.過剰の期待を持たなければ(53年テープの件を除いて)現時点で最も正確な情報をもたらしているかも本しれない.なので星3つ.
本書の新情報は少なからずあるし,恐らく正確でもある.犯人たちが得た情報は図書館で容易に得られたこと(だから動機は必ずしもグリコに対する怨恨とは限らない)は新情報だった.しかしそうなると53年テープはどう説明するのか? 本書は53年テープには全く言及していない.いくら何でもこれはおかしい.
また,大津SA以降の攻防で「人民新聞」がなぜ事実を知っていたのか.これはこの事件の謎の一つだが,何も掘り下げていない.
新情報はある,しかし避けて通っている点も多い,という何とも評価が微妙な本である.