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荀子
著者 内山 俊彦
古代戦国期、秦帝国出現前夜の激動の時代を生き、儒家ながら、伝統的な儒家の枠組みに収まりきらない異色の思想を展開した荀子。「性悪説」で名高い人間観や「天人の分」で知られる自然観、「礼の王国」論に見られる国家観等々、現実的かつ合理性に貫かれたその思想像を多角的に探り、中国古代思想史上の位置を明らかにする。
荀子
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荀子
2020/04/08 09:27
性悪説、天人の分、礼の王国などの思想で知られる荀子とその考えを分かりやすく解説した興味深い書です!
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、中国における戦国時代末の思想家であり、儒学者であった荀子と彼の思想について分かり易く解説された貴重な書です。荀子は、尊称して荀卿とも呼ばれたり、また漢代には孫卿とも呼ばれた人物ですが、何しろ有名なのは、彼の説いた「性悪説」であり、これは、人間の性を「悪」すなわち利己的存在と認め、君子は本性を「偽」すなわち後天的努力(すなわち学問を修めること)によって修正して善へと向かい、統治者となるべきことを勧めた考え方でした。そして、この性悪説は、孟子の性善説を徹底的に批判することに繋がりました。これに加え、荀子は、「天人の分」で知られる自然観、「礼の王国」論に見られる国家観なども説いており、中国古代の思想の基礎を形作った偉大な思想家でした。同書では、こうした荀子と彼の思想を明らかにし、中国史の中に明確な形で位置付けていく一冊です!